『Histoire de la génétique et de l'evolutionnisme en France』

Denis Buican
1984年刊行, Presses Universitaires de France[Histoires], Paris, 421 pp., ISBN:2130382770 [pbk])

2003年4月26日に駿河台下の崇文荘書店で入手.購入価格4,000円.当時の日録から:

  • もう1冊のビュイカンは,フランスにおける20世紀の遺伝学・進化学の歴史書.やっぱりネオ・ラマルキズムの威力は大きかったんやねえ.
  • 驚きだったのは,ジョルジュ・テシエがフランス進化学で果たした役割.テシエといえば相対生長の研究しか知らなかったのだが,本書の第7章全体はテシエがフランスの集団遺伝学の旗頭であったと述べています.フィリップ・レリティエとともに数々のショウジョウバエ研究をしていたとはぜんぜん知らなかった.マイヤ&プロヴァインの『The Evolutionary Synthesis』(1980,Harvard UP)からは見えてこなかった内容.

『Malebranche et Leibniz: Relations personnelles, présentées avec les textes completes des auteurs et de leurs correspondants revus, corrigés et inédits』

André Robinet
(1955年8月刊行, Librairie Philosophique J. Vrin[Bibliotheque des Textes Philosophique], Paris, 525 pp.)

2003年4月26日に駿河台下の崇文荘書店で入手.購入価格7,000円.当時の日録にはこう書かれている:

  • マルブランシュはクララ・ピント-コレイアの新刊『イヴの卵』(白揚社)を読んで以来,気になっていた思想家.若い頃からデカルトに心酔し,アンチ・デカルトを標榜した鬼才ライプニッツと論争を続けたという.未來社工作舎の「ライプニッツ全集」も気になるけど,色目を使ったらダイレクトに破産ですな.
  • ピント-コレイアの本には,マルブランシュが「前成説」の提唱者と書かれてあったけど,17世紀当時の概念世界は気になる気になる気になる.
  • マルブランシュとライプニッツの書簡を集成したロビネのこの本は,いわゆるフランス装でページの端が切られていない.ペーパーナイフで切り開きながらひもとくというのは初めての経験になるか....

工作舎ライプニッツ全集はこのほどやっと完結したとのこと.

『現代思想2018年9月号』

(2018年9月1日刊行,青土社,東京, 本体価格1,400円, ISBN:9784791713691版元ページ

【特集〈考古学の思想〉目次】

討議 I

考古学と哲学(溝口孝司+國分功一郎佐藤啓介) 8-33

エッセイ

模倣するサピエンス(港千尋) 34-40

討議 II

生きられた世界を復元できるか(中沢新一+山極寿一) 41-64

概論

考古学は/で何をするのか(溝口孝司) 65-80

考古学のフロント

強制移動と非正規移動の考古学(Y・ハミラキス/村橋勲+古川不可知訳) 81-100
鉛筆で紙に線を引く――考古学的痕跡(五十嵐彰) 101-113
過去を資源化する考古学の現在――政治、環境、芸術(吉田泰幸) 114-123
書かれた世界とその外部――江戸時代の「考古学者」たち(内田好昭) 124-135
近現代戦争記念碑の考古学――滋賀県の諸事例を中心にして(辻川哲朗) 136-149

考古学の方法

物質論的人文知(ヒューマニティーズ)としての「野生の考古学」――同時代への退行的発掘のために(田中純) 150-159
過去を復元する――その推論の理念と手法は学問の壁をまたぐ(三中信宏) 160-169

人類史の更新

モノとヒトが織りなす技術の人類誌/史――考古学の可能性をめぐる民族誌フィールドからの応答(大西秀之) 170-180
純粋な贈与はどこにあるのか、なぜあるのか?――Bataille からBaumard へ(柳澤田実) 182-193

現代思想との交差

考古学者が読んだハイデガー――考古学者はそこに何を発掘したのか?(佐藤啓介) 194-204

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(続50)

三中信宏

(2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行(正誤表)|2009年12月18日第3刷刊行(正誤表)|2010年5月10日第4刷刊行(正誤表)|2011年10月7日第5刷刊行(正誤表)|2013年6月28日電子本刊行|2015年4月14日第6刷刊行,講談社[現代新書1849], ISBN:4061498495ISBN:9784061498495) → 版元ページ詳細目次反響録コンパニオンサイト

猛暑になったり秋風が吹いたり:

ブクログ・prigt23さんのレビュー

系統樹思考の世界 (講談社現代新書)」(2018年8月27日)

※「読んだけど、それで理解できたわけではないし、とても面白いというわけでもないけど、「この本を理解したい」「面白いと思えるようになりたい」って感じの本」.

以上,2018年8月27日.

『ベオグラード日誌』

山崎佳代子
(2014年3月30日刊行,書肆山田[りぶるどるしおる・78],東京, 229 pp., 本体価格2,600円, ISBN:9684879958945 版元ページ

すでに読んだ:山崎佳代子『パンと野いちご:戦下のセルビア、食物の記憶』(2018年5月1日刊行,勁草書房,東京, 2 color plates + x + 307 pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784326851942版元ページ)の流れをさかのぼって,この本にたどり着いた.

『意識の川をゆく:脳神経科医が探る「心」の起源』

オリヴァー・サックス[大田直子訳]
(2018年8月15日刊行,早川書房,東京, 238 pp., 本体価格2,100円, ISBN:9784152097842版元ページ

オリヴァー・サックスと言えば「脳」や「心」をテーマにした本や作品が連想されるが,ワタクシ的にはもっとマニアックな “シダ・ハンター” としての紀行文:オリヴァー・サックス[林雅代訳]『オアハカ日誌:メキシコに広がるシダの楽園』(2004年2月29日刊行,早川書房ナショナル・ジオグラフィックディレクションズ],東京, ISBN:4152085479)が強く印象に刻まれている.