『モンテレッジォ:小さな村の旅する本屋の物語』

内田洋子
(2018年4月17日刊行,方丈社,東京, 348 pp., 本体価格1,800円, ISBN:9784908925290版元ページ特設ページ

出版された時から気にはなっていたのだが,最近になって方々の書店で棚から “呼ばれる” ことが多くなり,これも何かの縁だろうとレジにお連れした.文章とカラー写真を交互に愉しめる画文集のような読み心地.

【目次】
はじめに 6
1 それはヴェネツィア古書店から始まった 12
2 海の神、山の神 32
3 ここはいったいどこなのだ 52
4 石の声 72
5 貧しさのおかげ 94
6 行け、我が想いへ 114
7 中世は輝いていたのか! 134
8 ゆっくり急げ 158
9 夏のない年 180
10 ナポレオンと密売人 200
11 新世界に旧世界を伝えて 218
12 ヴェネツィアの行商人たち 234
13 五人組が時代を開く 258
14 町と本と露店商賞と 274
15 ページに挟まれた物語 300
16 窓の向こうに 310
あとがきに代えて 本が生まれた村 334

 

資料一覧 [344-340]
初出 [345]

『中世思想原典集成精選1:ギリシア教父・ビザンティン思想』

上智大学中世思想研究所(編訳・監修)
(2018年11月刊行,平凡社平凡社ライブラリー・874], 東京, 本体価格2,400円, ISBN:9784582768749版元ページ

今朝の朝日新聞広告に載っていた.全7巻構成.買わないときっと天罰が下るんですよね(誰に訊いてるねん).『中世思想原典集成(全21巻)』はすでにワタクシの居室の本棚の奥で長年にわたって妖気を放っている.『精選』がこれから新たに出るとなると,またあの “漬物石” たちをひもとく機会が増えるのだろうか.それよりも,見ないふりをしてまたぐ気満々の『中世思想原典集成(第II期)』をどうしましょ.

『クレーの日記』

パウル・クレー[南原実訳]
(1961年10月20日刊行,新潮社,東京, 479 pp., ISBN:410502101X

霊長類研究所に来るたびに本をもらって帰る.今回も玄関横のティールームにダンボール箱入りの本が並べられていて「自由にお持ちください」とのこと.聞くところでは物故した霊研の先生の私蔵本らしい.まずは,年季が入った岩波文庫の『法華経(全三巻)』をリュックサックに詰め込んだ.前回ここに来たとき(2016年2月)は,Gavin de Beer『Embryos and Ancestors, Third Edition』(1958年刊行,The Clarendon Press, Oxford, xii+197 pp. with 2 plates → 情報)を思いがけなく入手してしまったことを思い出す.今回も箱の底をゴソゴソ探していたら,パウル・クレーの日記が転がり出てきたのでありがたく頂戴する.前に『造形思考』を読んでいたので,アンテナに引っかかったのだろう.見つけたもん勝ち.訳者の南原実さんはワタクシが駒場時代に習ったドイツ語の先生だ.