『石干見の文化誌:遺産化する伝統漁法』目次

田和正孝
(2019年1月31日刊行,昭和堂,京都, 8 color plates + xvi + 262 + viii pp., 本体価格4,800円, ISBN:9784812218020版元ページ

石干見(いしひび)」と呼ばれるある伝統的定置漁法について九州〜琉球〜台湾での調査を踏まえて考察する.

【目次】
カラー口絵 8 pp.
はじめに —— 石干見を知る i

 

第I部 日本の石干見

第1章 石干見研究の系譜 2
第2章 石干見研究の問題群:研究の可能性 13
第3章 石干見の呼称に関する考察 28
第4章 島原半島石干見(スクイ)漁業 54
第5章 開口型の石干見:その技術と漁業活動 76

第II部 台湾の石滬

第6章 台湾における石滬研究史 100
第7章 1910年代の台湾本島における石滬漁業 125
第8章 澎湖列島北部における石滬の利用と所有 —— 1910年代の漁業権免許申請資料の分析を通じて 146

第III部 新たな石干見研究に向けて

第9章 大西洋沿岸域における石干見研究の現在 196
第10章 石干見の文化誌:さらなる可能性を求めて 218

 

参考文献 243
おわりに 257
事項索引 [iv-viii]
地名索引 [ii-iii]
人名索引 [i]

『月刊みすず(61巻1号[no. 678]2019年1-2月合併号)』読書アンケート特集

(2019年2月1日発行,みすず書房,東京,本体価格300円 → 版元ページ

ワタクシの寄稿は pp. 31-33.今回の読書アンケート用選書リスト:leeswijzer「『月刊みすず』「読書アンケート」用セレクション5冊+次点5冊(2017年)」(2018年12月28日).

『南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる』感想

渡貫淳子
(2019年1月23日刊行,平凡社,東京, 175 pp., 本体価格1,400円, ISBN:9784582837957版元ページ

第57次日本南極地域観測隊の調理隊員として,昭和基地で1年4ヶ月を過ごした著者による南極ライフ本.隔離された生活環境の中でごく限られた食材リソース(水も電気も限られる)をうまく使いまわすための大技小技.もちろん類書には見られない「南極料理レシピ」とともに.著者と同期隊員だったというのうかんけんの某 “南極男” (兼 “北極男” )がオススメしていたので,買ってみたら確かに超おもしろい本だった.日本のローソンで大ブレイクしているあの「悪魔のおにぎり」はほかならないこの著者が考案した逸品だったのか.もうすぐ第二作:渡貫淳子『悪魔のおにぎりと南極流リメイク料理』(2019年2月刊行予定,マガジンハウス,東京, ISBN:9784838730315)が出版されるとのことで,さっそく予約注文ボタンをぽちっ.

『北斎 富嶽三十六景』読了

日野原健司編
(2019年1月16日刊行,岩波書店岩波文庫・青581-1],東京, 230 pp., 本体価格1,000円, ISBN:9784003358115版元ページ

富嶽三十六景』の計46図版の見開きカラー図版と解説文をコンパクトにまとめた1冊.『富嶽三十六景』のなかには「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」のようにとても有名な図もある一方で,初めてしげしげと眺める図もある.葛飾北斎はリアルな情景を写実的に描くのではなく,架空ではあってもインパクトのある構図で描く傾向が強かったと解説では繰り返し強調されている.

『琉球列島の里山誌:おじいとおばあの昔語り』目次

盛口満
(2019年1月15日刊行,東京大学出版会,東京, iv+251 pp., 本体価格4,000円, ISBN:9784130603218版元ページ

帰ってきたゲッチョ先生.琉球の島々の昔日の風景と文化をたどるインタヴュー本.

【目次】
はじめに i

 

第1章 琉球列島との出会い 1

1 琉球列島とはどこか 2
2 里山とはなにか 5
3 身近な自然とはなにか 7 
4 里山誌とはなにか 10

第2章 琉球列島の自然誌 13

1 琉球列島の生物相の成り立ち 14
2 高島と低島 18
3 琉球列島の農耕と社会の歴史 24

第3章 琉球列島の里山 31

1 歌に見る自然と歴史 32
2 南島のドングリ利用 37
3 沖縄島南部における稲作 41
4 沖縄島における稲作の減少 45
5 奄美諸島における稲作の減少 55
6 琉球列島の里山の構造 58

第4章 里山の多様性 67

1 タシマとバシマ 68
2 沖縄島南部の里山 71
3 石垣島里山 76
4 繊維利用植物 80
5 ソテツの利用 96
6 緑肥の分布 114
7 琉球列島における魚毒漁 124
8 魚毒漁の多様性 152
9 アダンの利用 152
10 薪の利用から見た奄美諸島 161

第5章 里山の自然利用 179

1 木の実の利用から見た低島 180
2 キノコの利用 198
3 タニシ・ドジョウの利用 210

第6章 里山の固有性 221

1 里山のつながり 222
2 里山の固有性 230

 

おわりに 233
謝辞 236
参考文献 239
索引 249

『謎のカラスを追う:頭骨とDNAが語るカラス10万年史』読売新聞書評

中村純夫
(2018年12月6日刊行,築地書館,東京, 12 color plates + 268 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784806715726目次情報版元ページ

ワタクシの読売新聞書評(2019年1月20日掲載|jpeg)が〈本よみうり堂〉にてオンライン公開された.

 日本人にとって身近な都市鳥である真っ黒なハシブトガラス。著者はこのカラスとその近縁亜種の分布域を見極めるために、北海道から宗谷海峡を超えてサハリンへ渡り、さらには対岸のウスリー川からアムール川にいたる大陸沿岸地域まで足を伸ばした。

 

 大学や研究機関に属さない「独立研究者」である著者は、私費を投じ、海外踏査に伴うさまざまな関門をくぐり抜け、偶然の幸運にも助けられつつこの野外調査をやりとげる。運よくカラスを撃ち落としても、肉を剥がして頭蓋骨を取り出すという手間のかかる作業が待っている。人跡もまれな荒涼たる北辺の地を現地の共同研究者やハンターとともにカラスを追い求めた日記は、同時に、極東ロシアの現状の詳細な記録でもある。

 

 予期しない調査車両の故障、大事故につながりかねない道路の陥没、そしていたるところでの治安問題など数々の冒険と危険が隣り合わせの調査の末に、著者はどのようなカラスの「進化」を読み取ったのだろうか。形態データと分子データを踏まえた最新の生物地理学研究の一端をうかがい知る興味深い新刊だ。(築地書館、2400円)

 

三中信宏[進化生物学者]読売新聞書評(2019年1月20日掲載|2019年1月28日公開)

『第一印象の科学:なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』目次

アレクサンダー・トドロフ[中里京子訳|作田由衣子監修]
(2019年1月16日刊行,みすず書房,東京, 本体価格3,800円, ISBN:9784622087625版元ページ

ヒトによる「顔」認知と機作と心理に関する形態測定学(morphing)的な画像解析による実験研究.カラー図版満載.

【目次】
プロローグ 1

 

第I部 観相学はなぜ人を惹きつけるのか 9

1 観相学者の約束 10
2 一目で抱く印象 36
3 結果を伴う印象 62

第II部 第一印象を理解する 93

4 心理学者の仕事 94
5 見えないものを可視化する 117
6 印象の機能 139
7 見る人次第 161

第III部 第一印象の(不)正確さ 179

8 誤解を招く画像 180
9 次善の判断 206
10 進化の物語 230
11 人生は顔に痕跡を残す 253

第IV部 顔の特別な地位 269

12 人は生まれつき顔に関心を払う 270
13 脳内の顔モジュール 288
14 錯覚に満ちた顔のシグナル 305

 

エピローグ 再び進化の物語について 327

 

謝辞 333
図版クレジット [52-59]
原注および出典 [8-51]
索引 [1-7]

『動物と人間:関係史の生物学』目次

三浦慎悟
(2018年12月5日刊行,東京大学出版会,東京, xvi+821 pp., 本体価格20,000円, ISBN:9784130602327版元ページ

近年まれに見る超弩級本が接岸してあわてふためいている.二段組計850頁,2万円の巨大本.大手町の読売新聞読書委員会でも白状したように,本書の登攀は南米アコンカグアの登頂に匹敵する大仕事ではないかと.

【目次】
はじめに i
凡例 x

序章 ヨーロッパ文化のなかの自然 1

 0.1 森林の国ヨーロッパ 1
 0.2 人工化された自然 3
 0.3 ヨーロッパの農業と牧畜 5

第1章 巨大動物相の鎮魂歌 13

 1.1 先史時代の人類と野生動物 14
 1.2 旧石器時代における人類の狩猟,狩られる側の論理 38
 1.3 最初の家畜――イヌ 46

第2章 西アジアでの創造 63

 2.1 肥沃の三日月弧 64
 2.2 動物の家畜化 76
 2.3 家畜化とミルク利用 91
 2.4 ネコの家畜化? 95
 2.5 家畜化の利益とコスト 99
 2.6 現代の家畜 102
 2.7 ミツバチは“ドメスティケート”されたか? 104

第3章 農畜融合文化の波紋 115

 3.1 ヨーロッパへの道程 116
 3.2 ヨーロッパ人とは何者か 121
 3.3 ヨーロッパの新石器時代 128
 3.4 遊牧社会の成立とウマの家畜化 139
 3.5 乾燥草原地帯での動物の家畜化 148
 3.6 新石器時代から青銅器時代へ 150

第4章 ヨーロッパ古代社会の動物と人間 163

 4.1 ケルト社会の成立 164
 4.2 ヨーロッパの自然観の源流 172
 4.3 農畜融合文化が環境に与えた影響 176
 4.4 古代ギリシャローマ帝国における動物と人間 178

第5章 中世ヨーロッパの動物と人間 201

 5.1 中世前期の農業と家畜 202
 5.2 中世における野生動物と森林の管理 212
 5.3 キリスト教と動物 233
 5.4 オオカミの迫害と根絶 263

第6章 近世への始動 277

 6.1 ヨーロッパの辺境 277
 6.2 衣料としての動物 290
 6.3 古代の服装と動物との関係 295
 6.4 中世の服装と毛皮交易 302

第7章 ヒツジとスパイス,そしてクジラ 325

 7.1 近代を切り拓いたヒツジ 326
 7.2 奢侈禁止条例 337
 7.3 スパイスの欲望――大航海時代 341
 7.4 海洋生態系における生物資源の争奪と乱獲 349
 7.5 バスク人捕鯨 358
 7.6 乱獲を支えた自然観 371

第8章 1つに結ばれる世界 383

 8.1 “モンゴロイド”の旅 385
 8.2 中南米の文明と家畜 387
 8.3 北米大陸への植民と開拓 406
 8.4 ロシアのシベリア開拓と毛皮獣 419

第9章 近代ヨーロッパでの動物の再発見 441

 9.1 イギリスにおける動物(博物学)ブーム 441
 9.2 大陸における博物学の煌き 469
 9.3 イギリスにおける博物学の発展と成熟 486

第10章 北米での野生動の激動と保全 521

 10.1 北米大陸での開拓と「発展」 521
 10.2 アメリカにおける自然保護の覚醒 559
 10.3 アメリカにおける野生動物保全のうねり 579

第11章 動物保護の異相 605

 11.1 野生の王国――アフリカ 605
 11.2 ナチス・ドイツと動物愛護,自然保護 632

第12章 保全・管理と環境倫理の架橋 659

 12.1 日本の生物資源管理 659
 12.2 環境倫理学の始動 701

終章 生物多様性と持続可能な社会 731

 13.1 生物多様性とはなにか 731
 13.2 生物多様性と生態系保全への道程 746
 13.3 人間と生物多様性を守る価値観と経済学 768

 

おわりに 791

 

事項索引 793
生物名索引 805
人名索引 815

『古代オリエントの神々:文明の興亡と宗教の起源』目次

小林登志子
(2019年1月25日刊行,中央公論新社中公新書・2523],東京, xxiv+316 pp., 本体価格940 pp., ISBN:9784121025234版元ページ

【目次】
はじめに i
序章 神々が共存する世界 —— 古代オリエント史の流れの中で 1
第1章 煌く太陽神、霞む太陽神 43
第2章 地母神が支配する世界 95
第3章 死んで復活する神々 159
第4章 神々の王の履歴書 215
終章 「アブラハムの宗教」が対立する世界 281
あとがき 299
図版引用文献 [306-303]
主要参考文献 [313-307]
主要項目索引 [316-314]

『メタボも老化も腸内細菌に訊け!』目次

小澤祥司
(2019年1月23日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・281],東京, x+132 pp., 本体価格1,300円, ISBN:9784000296816版元ページ

【目次】
はじめに――腸内細菌と現代病 iii

 

1 メタボと腸内細菌の入り組んだ関係 1
2 高血圧・動脈硬化をもたらす腸内細菌 17
3 癌や肥満にあの腸内細菌が効果 39
4 老いをもたらすもの 59
5 アルツハイマー病と脳‐腸‐細菌軸 77
6 生活習慣が腸内細菌を変える 99