『恐竜まみれ:発掘現場は今日も命がけ』目次

小林快次
(2019年6月25日刊行,新潮社,東京, 4 color plates + 238 pp., 本体価格1,450円, ISBN:9784103525912版元ページ


【目次】
カラー口絵(4 pp.)
はじめに 1
第1章 恐竜学者と「化石コレクター」のはざまで 15
第2章 あれほど欲しかった化石が、いまは憎い 37
第3章 大発見は最終日の夕方に起きる 65
第4章 恐竜化石を「殺す」のは誰か 87
第5章 探検家ではなかったはずだが 103
第6章 世界遺産バッドランドへ乗り込む 127
第7章 危うく「ネイチャー」誌の掲載を断りかける 153
第8章 ついに出た、日本初の全身骨格 167
第9章 恐竜界50年の謎“恐ろしい腕”の正体は 197
第10章 「命を預けて」でも行きたい極地 217
おわりに 235

『恐竜の教科書:最新研究で読み解く進化の謎』

ダレン・ナイシュ,ポール・バレット[小林快次・久保田克博・千葉謙太郎・田中康平監訳|吉田三知世訳]
(2019年2月20日刊行,創元社,大阪,239 pp., 本体価格4,500円, ISBN:9784422430287版元ページ

とある依頼で恐竜にまみれる必要があり,その予行演習として本書を入手した.

『アルコールと酔っぱらいの地理学:秩序ある/なき空間を読み解く』目次

マーク・ジェイン,ジル・バレンタイン,サラ・L・ホロウェイ[杉山和明・二村太郎・荒又美陽・成瀬厚訳]
(2019年7月30日刊行,明石書店,東京, xvi+284 pp., 本体価格2,700円, ISBN:9784750348667版元ページ

グッドタイミングで着便.夏本番になり,来月はがんがん呑む機会が増えてくるだろうから,こういう役に立つ新刊をちゃんと読んで,うっかり油断して「binge drinker」にならないように気をつけましょうね>心当たりのあるみなみなさま.


【目次】
日本語版へのはしがき iii
謝辞 ix

序章 酒・飲酒・酩酊の地理 1

 アルコール研究と地理学的アプローチ 3
 地理学と酒・飲酒・酩酊 10
 秩序ある/なき空間を読み解く 17

第1章 都市 23

 「飲酒の害悪」と近代都市 24
 ビンジ・シティ? 酒・飲酒・酩酊と現代の都市生活 34
 おわりに 53

第2章 田園 55

 田園における飲酒の理論化 56
 田園におけるアルコールと若者 64
 おわりに 75

第3章 ホーム 81

 ホームの欠如――イギリスにおける飲酒の地図を描く 81
 家庭内の飲酒実践、社会的意味、社会的差異 86
 おわりに 107

第4章 ジェンダー 111

 男性性、女性性とアルコール消費 112
 ジェンダー化された飲酒パターン、場所、目的 119
 ジェンダー化された飲酒をめぐるさまざまな場面 122
 おわりに 133

第5章 エスニシティ 137

 禁欲というムスリムの文化 138
 不在の存在――パキスタンムスリム・コミュニティにおけるアルコール 144
 夜間経済――出会いと社会結合へのインパクト 153
 おわりに 160

第6章 世代 163

 私の世代――記憶のなかのアルコールに対する態度と消費 164
 飲酒実践における世代間の連続性と非連続性 177
 おわりに 193

第7章 感情と身体 199

 アルコール消費の感情と身体の地理 200
 記憶 205
 通過儀礼 210
 感情的会話 217
 おわりに 221

「もう一杯いかが?」――あとがき 223

 付録1 事例研究と研究デザイン 227
 付録2 ビンジ・ドリンキングの定義とアルコール量単位の解説 235
 付録3 イギリス政府による全国統計の社会経済的分類 238

「酔いに任せてもう一杯」――訳者あとがき 239

 文献一覧 [276-247]
 索引 [282-277]

『結局、ウナギは食べていいのか問題』目次

海部健三
(2019年7月18日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・286],東京, x+119+5 pp., 本体価格1,200円, ISBN:9784000296861版元ページ

ご恵贈感謝.時節柄とてもキャッチーなタイトル.


【目次】
はじめに iii
1 ウナギは絶滅するのか 1
2 土用の丑の日とウナギ――ウナギを食べるということ 17
3 ウナギと違法行為――密漁・密売・密輸 29
4 完全養殖ですべては解決するのか 49
5 ウナギがすくすく育つ環境とは 57
6 放流すればウナギが増えるのか 73
7 ワシントン条約はウナギを守れるか 87
8 消費者にできること 95

あとがき 115
参考文献と注 [1-5]

『ひらく:生命科学から生命誌へ』

中村桂子
(2019年7月10日刊行,藤原書店中村桂子コレクション・いのち愛づる生命誌(全8巻)・第1巻],東京, 2 plates + 283 pp., 本体価格2,600円, ISBN:9784865782264版元ページ

前著:中村桂子あそぶ:12歳の生命誌』(2019年2月10日刊行,藤原書店中村桂子コレクション・いのち愛づる生命誌(全8巻)・第5巻],東京, 2 plates + 291 pp., 本体価格2,200円, ISBN:9784865781977版元ページ)の続刊.ご恵贈ありがとうございます.

『文化がヒトを進化させた:人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉』目次

ジョセフ・ヘンリック[今西康子訳]
(2019年7月26日刊行,白楊社,東京, 605 pp., 本体価格3,600円, ISBN:9784826902113版元ページ

600ページ超.文化進化の新しい仮説を提唱しているという.


【目次】
はじめに 9
第1章 不可解な霊長類 19
第2章 それはヒトの知能にあらず 29
第3章 遭難したヨーロッパ人探検家たち 47
第4章 文化的な動物はいかにして作られたのか 64
第5章 大きな脳は何のために?――文化が奪った消化管 91
第6章 青い瞳の人がいるのはなぜか 129
第7章 信じて従う心の起源 148
第8章 プレスティージとドミナンス、生殖年齢を過ぎたあと 179
第9章 姻戚、近親相姦のタブー、儀式 213
第10章 文化進化を方向づけた集団間競争 251
第11章 自己家畜化 277
第12章 ヒトの集団脳 315
第13章 ルールを伴うコミュニケーションツール 344
第14章 脳の文化的適応と名誉ホルモン 387
第15章 人類がルビコン川を渡ったのはいつか 415
第16章 なぜ私たち人類なのか? 437
第17章 新しいタイプの動物 463

訳者あとがき 489
図版クレジット [494-493]
参考文献 [552-495]
註 [595-553]
索引 [605-596]

『視覚文化とデザイン:メディア、リソース、アーカイヴズ』目次

井口壽乃(編)
(2019年4月25日刊行,水声社,東京, 325 pp., 本体価格3,500円, ISBN:9784801004238版元ページ

アイソグラム,ピクトグラムタイポグラフィーなどなどがワタクシのアンテナに引っかかってきた.


【目次】
はじめに 5

I グラフィック理論の形成と越境 ―― 前期モダニズム

チェコスロヴァキアモダニズムアメリカへの越境 ―― ラディスラフ・ストナーのグラフィックデザイン(井口壽乃)
アイソタイプのアメリカへの越境 ―― 一九三〇年代のルドルフ・モドレイの活動を中心に(伊原久裕)
パーシー・ランド・ハンフリーズ社と越境のデザイナーたち ―― 一九三〇年代イギリスのモダニズム(菅靖子)
一九三〇年代イギリスにおけるニュー・タイポグラフィの導入(山本政幸)

II イメージの継承と還流――後期モダニズム

デザインの創造と継承 ―― 亀倉雄策にみる発想のためのイメージ・ソース(井口壽乃)
二〇世紀視覚言語の一系譜 ―― アイソタイプからピクトグラム標準化へ(伊原久裕)
活字書体デザインの再生と創造 ―― 第二次世界大戦後におけるグロテスク活字のリバイバル(山本政幸)
一九六〇年代後半のアメリカ西海岸におけるサイケデリック・ポスターの展開(山本政幸)

III 三次元イメージとグラフィズム

ホログラフィを用いた初期の芸術作品について(児玉幸子)
ポストモダン以降の新しいイメージ ―― ルディー・バーコートの軌跡(児玉幸子)

IV コレクションと展示――デザイン・リソース

デザイン資源が語ること ―― デザイン・アーカイヴズという不完全な歴史の形(菅靖子)
「デザイン資源」としての竹尾ポスター・コレクション(暮沢剛巳

初出一覧 323
編者/執筆者について 325

『できる研究者の科研費・学振申請書:採択される技術とコツ』目次

科研費.com
(2019年7月8日刊行,講談社,東京, iv+136 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784065165980版元ページ|〈科研費.com〉)

同名のウェブサイトの書籍化とのこと.


【目次】

第1章 はじめに 1

第2章 書く前に 3

2.1 なぜ書くのか 4
2.2 書く際の心得 6
2.3 うまいと得する申請書 8
2.4 何を研究するか 9

第3章 何を書くのか 13

3.1 何を書くのか 14
3.2 研究課題 16
3.3 背景 20
3.4 なぜ今その研究なのか 24
3.5 解決のアイデア・研究目的・研究計画 32
3.6 何がわかるのか 47

第4章 どう書くのか 51

4.1 どう書けば読み手に伝わるのか 52
4.2 読みやすく ─正しい日本語で審査員のストレスをなくす─ 53
4.3 わかりやすく ─論理的かつ説得力を持って説明する─ 64
4.4 美しく  ─細部にまでこだわり、無意識に働きかける─ 76
4.5 推敲や見直しでより良い申請書にする 90

第5章 申請書のヒント 93

5.1 オズボーンのチェックリスト 94
5.2 学振および科研費申請書などを公開しているサイト 検索の仕方 96
5.3 データベースの利用 98
5.4 そこそこテンプレート 101
5.5 粒度の粗いそこそこテンプレート 130
5.6 科研費.comのチェックリスト 134

第6章 おわりに 135

独り言 136

『心理学の7つの大罪:真の科学であるために私たちがすべきこと』読売新聞書評

クリス・チェインバーズ[大塚紳一郎訳]
(2019年4月1日刊行,みすず書房,東京, vi+330+xl pp., 本体価格4,400円, ISBN:9784622087885目次版元ページ

読売新聞大評が一般公開された:「統計学の原罪と救済 — 心理学の7つの大罪…クリス・チェインバーズ著 The Seven Deadly Sins of Psychology」(2019年7月14日掲載|2019年7月22日公開)



統計学の原罪と救済

 統計データ解析の界隈では、数年前から、これまで長らく使われてきた個々の解析手法ならびに一般的な研究ワークフローをめぐって論議の高まりが目につくようになった。本書の舞台である心理学はその“ホットスポット”のひとつだ。著者は近年の実験心理研究のあり方、とりわけデータの取り扱いをめぐる“後ろ暗い”行為の数々を指摘する。

 本書が列挙する心理学の「大罪」の最初の四つは統計解析に関わる。先入観に一致する証拠だけを集める「確証バイアス」の陥穽、統計的検定を悪用する「p値ハッキング」の大流行、有意な効果を見逃さない「検定力」の低さ、そしてデータが出たあとで仮説をこねまわす「HARK行為」という烙印を押される罪状が次々と暴かれる。これらの「問題含みの研究実践(QRPs)」は心理研究の再現可能性を大きく損ない、ひいては心理学の科学としての地位そのものを危うくすると著者は強く懸念する。

 残る三つの「大罪」はさらに深刻だ。データの恣意的な操作や捏造による「不正行為」の頻発、科学研究の「オープン・サイエンス化」への執拗な抵抗、そして「インパクト・ファクター」などの数値尺度による研究業績評価のでたらめさは、そのいずれをとっても、心理学に限らず、科学の全分野にあてはまる現代的病弊だ。

 著者は最終章でこれらの“原罪”に対する前向きな救済策を論じる。とくに、著者自身が推進してきた新たなシステムである「事前登録制」は、実験計画の事前審査を義務づけ、予期される“罪”の回避案としておおいに注目される。

 『心理学の……』と銘打たれているが、本書の潜在読者はもっと広い。なぜなら『真の科学であるために私たちがすべきこと』というサブタイトルは、分野を問わずすべての科学者ならびに科学に関心をもつ一般読者へのメッセージだからだ。大塚紳一郎訳。

三中信宏[進化生物学者]読売新聞書評(2019年7月14日掲載|2019年7月22日公開)