『印刷用紙サンプルBOOK』

デザインのひきだし編集部(編)
(2020年5月25日刊行,グラフィック社,東京, 4 pp. + 1表 + 202葉, 本体価格5,400円, ISBN:978-4-7661-3407-0版元ページ

「増刷絶対不可能な完全保存版です!」とのことなので,これはもう買うしかないでしょ.さらに言うなら,逆立ちしても “電子本” にはなりえない本.紙は神である.

『150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか』目次

瀧澤美奈子
(2019年7月25日刊行,ベレ出版,東京, 293 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-86064-575-5版元ページ

本書は最近書評した『南方熊楠のロンドン』の前に読んでおくべきだった本.うっかり見落としてしまった.


【目次】
序 なぜ今、150年前の科学雑誌を読むのか(本書の目的) 9
第1章 nature創刊に託された思い 19
第2章 ヴィクトリアンの科学論争 43
第3章 150年前の科学 71
 I 150年前の自然科学の概略 72
 II ダーウィンはどのようにnatureに登場したか 93
 III ヴィクトリア朝時代の華麗な科学者ティンダル 119
第4章 なぜ国が科学にお金を出すのか 127
第5章 女子の高等教育 ―「壁」を越えた女子医学生たち― 149
第6章 チャレンジャー号の世界一周探検航海 183
第7章 モースの大森貝塚 225
第8章 nature誌上に見る150年前の日本 245
 I 近代化前の日本は 外国人にどう映ったのか 246
 II 近代化を始めた日本 271
付録 初期のnatureに何度も載った日本人 289
 南方熊楠と “ネーチュール” 290
 寺田寅彦と “ネチュアー” 292

『生命はデジタルでできている:情報から見た新しい生命像』目次

田口善弘
(2020年5月20日刊行,講談社講談社ブルーバックス・B-2136],東京, 222 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-06-519597-0版元ページ

大手町漁港直送本.「テンソルがー」とか出てきたら即死と身構えたが,情報処理系としてのゲノム=ディジオーム(digiome)の解説本.ホッ.


【目次】
はじめに 3
第1章 ゲノム —— 三八億年前に誕生した驚異のデジタル生命分子 11
第2章 RNAのすべて【トランスクリプトーム】—— タンパク質にならない核酸分子のミステリー 41
第3章 タンパクのすべて【プロテオーム】—— 組成を変えずに性質を変える魔法のツール 105
第4章 代謝物のすべて【メタボローム】—— 見逃されていた重要因子 157
第5章 マルチオミックス —— 立ちはだかるゲノムの暗黒大陸 181
おわりに 218
さくいん [222-220]

『京大吉田寮』読売新聞書評

平林克己(写真)|宮西建礼・岡田裕子(文)
(2019年12月6日刊行,草思社,東京, 79 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7942-2425-5版元ページ吉田寮記録プロジェクト

読売新聞ヴィジュアル評が公開された:三中信宏平林克己・写真、宮西建礼、岡田裕子・文 「京大吉田寮」 」(2020年5月24日掲載|2020年6月1日公開)



 洛東の京都大学吉田キャンパス南端にある吉田寮は1世紀を超える現存する日本最古の学生自治寮だ。このカラー写真集で初めて目にする読者は、まぎれもなく21世紀のいま営まれている日々のリアルな寮生活に、現実離れした異次元の気配を感じ取るだろう。

 お世辞にもきれいとは言いがたい吉田寮では、国籍や性別を問わず年齢による分けへだてもなく、多くの寮生たちがともに学びそして巣立っていく。評者がかつて2年間暮らした東大駒場寮にも確かにこういう寮生活特有の猥雑さとざわめきと匂いがあったが、すでに取り壊されて跡形もなく、かすかな記憶に残るだけだ。京大吉田寮に出入りする学生たちのしなやかでたくましい姿は、裏を返せば“絶滅危惧”の瀬戸際に立つこの学生寮の危うい現状を映し出している。この吉田寮を今あえてなくす理由はどこにもないですよね、総長。(草思社、2000円)

三中信宏[進化生物学者]読売新聞書評(2020年5月24日掲載|2020年6月1日公開)


『美しい痕跡:手書きへの讃歌』目次

フランチェスカ・ビアゼットン[萱野有美訳]
(2020年4月16日刊行,みすず書房,東京, 本体価格3,400円, ISBN:978-4-622-08882-0版元ページ

すでに新聞書評がいくつか出ている新刊.わかる人にはすぐわかり,わからない人にはいつまでもわからない世界があるのだろう.


【目次】
はじめに 7
第1章 (手で)書く、ゆえに(我)あり 17
第2章 筆跡は顔 23
第3章 紙、ペン、考えを選ぶ 30
第4章 書く時間は考える時間 39
第5章 子供の頃から書く 48
第6章 二本の手と十本の指 56
第7章 書き留める、写真を撮るのではなく 66
第8章 壁に書く 76
第9章 書かれたものに囲まれて 84
第10章 図が文になる 92
第11章 筆記用具 107
第12章 航海上の注意 126
おわりに 142

 

訳者あとがき 145
参考文献 [xlvii-xlix]
注 [xxxvii-xlvi]
附録:『ルドヴィーコ・ヴィチェンティーノによる小品(ラ・オペリーナ) カンチェッレレスカ体の書き方を学ぶために』(一五二二年)
カラー図版(1折)

『紫外線の社会史:見えざる光が照らす日本』目次

金凡性
(2020年5月20日刊行,岩波書店岩波新書・新赤版1835],東京, iv+169+12 pp., 本体価格800円, ISBN:978-4-00-431835-4版元ページ

紫外線にかぎらず「不可視的なもの」はいずれも人間を不安にする.


【目次】
序章 見えないモノの歴史 1
第1章 紫外線ブームの時代へ 11
第2章 「人工太陽」のテクノロジー 43
第3章 紫外線が映し出す世相 85
第4章 戦後における紫外線 125
終章 紫外線と人間・技術・文明 153
あとがき 165
参考文献 [1-12]

『深海生物テヅルモヅルの謎を追え!:系統分類から進化を探る』目次

岡西政典
(2016年5月30日刊行,東海大学出版部[フィールドの生物学・20],平塚, xx+299 pp., 2,000円, ISBN:978-4-486-02096-7版元ページ

新刊『新種の発見』を読み終えたと思ったら,テヅルモヅルが夢枕に立った(這った)?のであわてて発注したしだい.


【目次】
はじめに iii
カラー口絵(8 pp.)
第1章 系統分類学に出会う 1
第2章 テヅルモヅルを収集せよ 79
第3章 海外博物館調査 133
第4章 ミクロとマクロから系統を再構築する 213
第5章 系統・分類学から進化を探る 251
おわりに 279
謝辞 283
用語 285
引用文献 [291-287]
索引 [299-292]

『新種の発見:見つけ、名づけ、系統づける動物分類学』目次

岡西政典
(2020年4月25日刊行,中央公論新社中公新書・2589],東京, 2 color plates + viii + 252 pp., 本体価格860円, ISBN:978-4-12-102589-0版元ページ


【目次】
カラー口絵(2 pp.)
まえがき i

第1章 学名はころころ変わる? —— 生物の名前を安定させる学問,分類学 3

 1. 新種発表の地道な作業 4
 2. 生物を分け,名前を付ける基礎的な学問 12
 3. 生物に名前を付ける意味は? 26

第2章 地球の果てまで生物を追い求める —— 陸か,海か 33

 1. どちらの生物が多い? 35
 2. 陸の動物を採集する 54
 3. 海の動物を採集する 64
 4. 最後に。安全とマナーには十分注意しよう 83

第3章 分類学の花形,新種の発見 91

 1. 深海は新種の宝庫 —— 謎の生物テヅルモヅル 93
 2. 身近な秘境「海底洞窟」の洞窟性甲殻類 98
 3. 砂の隙間に潜む小さきクマムシと動吻動物 107
 4. 「コスモポリタン」は一種ではない 117
 5. 東京大学三崎臨海実験所 —— 明治から続く新種発見の拠点 128

第4章 命名 —— 学問の世界への位置付け 145

 1. 古今東西の文献・標本調査 146
 2. 国際動物命名規約 155
 3. キイロショウジョウバエと動物命名法国際審議会 176
 4. 歴史に埋もれた新種 —— 誰も知らなかったサザエの学名 180

第5章 これからの分類学 189

 1. 生物の数と分類学者の数 191
 2. 情報化によって生まれる「新しい分類学」 198
 3. 分類学の広がり —— 他分野とのコラボレーション 207
 4. 「市民サイエンス」という新たな科学の形 221
 5. 分類学の終着点 229

 

あとがき —— あなたが「新種」を見つけたら 231
巻末付録 記載論文の例 [244-239]
参考文献 [252-245]