茂木健一郎
(2020年7月20日刊行,講談社[講談社現代新書・2576],東京, 381 pp., 本体価格1,200円, ISBN:978-4-06-520066-7 → 版元ページ)
『新聞の力:新聞で世界が見える』
橋本五郎
(2020年6月30日刊行,労働調査会,東京, 276 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-86319-757-2 → 版元ページ)
『虚心に読む —— 書評の仕事2011–2020』
橋本五郎
(2020年7月10日刊行,藤原書店,東京, 279 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-86578-274-5 → 版元ページ)
読売新聞読書委員会の “生き字引” 橋本五郎さんの第二書評集.ご恵贈感謝です.
『とうがらしの世界』
松島憲一
(2020年7月8日刊行,講談社[講談社選書メチエ・728],東京, viii+245 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-06-520292-0 → 版元ページ)
“辛い本” もワタクシのもとに引き寄せられる傾向があるようだ.
『植物園の世紀:イギリス帝国の植物政策』目次
川島昭夫
(2020年7月10日刊行,共和国,東京, 237 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-907986-66-7 → 版元ページ|版元ドットコム|「はじめに——著者に代わって[志村真幸]」)
読了.をを,これは予想通りのアタリ本です.西洋列強の海外進出(17〜19世紀)による有用植物(香辛料・食用・薬用)の資源探索と,各植民地に造られた植物園での移植栽培と大規模人為移入の歴史.イギリスが当時の海外植民地に次々につくった植物園の果たした役割,それを推進したプロあるいはアマの植物学者&プラントハンターたちの経歴がくわしく考察されている.ワタクシ的には本書の造本はことのほか快適だった.表紙の〈バウンティ号の反乱〉を描いた名画にはパンノキの鉢植えが.著者は今年はじめに逝去されたとのことで,ところどころレファレンスがたどれない箇所があるのはしかたがないだろう.こういういい装幀の本は黙っていても向こうから声がかかる.
【目次】
はじめに —— 著者に代わって[志村真幸] 6
第1章 植物帝国主義 11
第2章 重商主義帝国と植物園 43
第3章 カリブの植物園 83
第4章 ブルーマウンテンの椿 —— カリブの植物園・2 107
第5章 インドの植物園と大英帝国 133
第6章 植物学の同胞 —— インドの植物園と大英帝国・2 157
第6章 戦艦バウンティ号の積み荷 181
第8章 海峡の植物園 —— ペナンとシンガポール 193
本書について[志村真幸] 233
初出一覧 237
『京大的文化事典:自由とカオスの生態系』目次
杉本恭子
(2020年6月25日刊行,フィルムアート,東京, 319 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-8459-1823-2 → 版元ページ)
京大の “なか” を見る本.読売新聞はここのところ「発酵本」と「京都本」を取り上げる確率が高いというオモテの声があるが,読書委員の構成を見ればそれは想定内の事態だろう.
【目次】
はじめに 3
京都大学ざっくり略年表 6
京大的文化的キャンパスマップ 12
序章:折田先生像と「自由」 19
折田彦市 23/折田先生像(銅像) 26/折田先生像(ハリボテ) 29/当局の看板 31/折田先生を讃える会 35コラム:自由の学風 39
1章:教養部とA号館 43
教養部 47/森毅 50/バリケード・ストライキ 53/A号館 56/A地下 59/キリン 61/国際高等教育院構想 63/京大変人講座 66コラム:教養部解体 68
2章:西部講堂 73
西部講堂 77/MOJO WEST 81/西連協 83/CRY DAY EVENT 87/大屋根 92/RADIO FREEDOM 95コラム:学生など当事者 97
3章:やぐらとこたつ
やぐら 107/こたつ 110/小屋 113/石垣★カフェ 115/くびくびカフェ 120/きんじハウス 125/ブンピカ 131/サウンド・デモ 134/総長団交 137コラム:こたつから始まる自治 144
ここでちょっとお勉強1:学問の自由と大学の自治 148
4章:自治寮 157
吉田寮 161/吉田寮食堂 168/厨房 172/旧印刷室 175/オールジェンダートイレ 177/ストーム 180/吉田寮祭 182/熊野寮 184/熊野寮祭 188/KMN48 191/ガサ入れ 193/地塩寮 196/WEEKEND CAFE 198コラム:「住む」を問い直す場所 202
ここでちょっとお勉強 2:京大と大学改革 208
5章:受け継がれ、生み出される空間 219
タテカン 223/ごりらとスコラ 227/吉田寮第二次在寮期限 230/百万遍クロスロード 237/くまのまつり 240/ワークショップくまの 243/オルガ先生像 246/卒業式コスプレ 250/京都大学新聞 253コラム「長い歴史のなかの「今」を見る」 256
終章:今は個々バラバラの細流であっても 263
インタビュー:森見登美彦氏に聞いてみた:「京大」と「自由」の語りづらさについて 284
京大的文化の主なできごと年表 304
杉本恭子さんの本に寄せて[尾池和夫] 314
あとがき 318
主要参考文献 319
『漢字の構造:古代中国の社会と文化』
落合淳思
(2020年7月10日刊行,中央公論新社[中公選書・108],東京, 325 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-12-110108-2 → 版元ページ)
昨年立て続けに出た2冊:落合淳思『漢字字形史小字典』(2019年3月31日刊行,東方書店,東京, 32+493+33 pp., 本体価格6,000円, ISBN:978-4-497-21912-1 → 目次|版元ページ)とワタクシが書評した:落合淳思『漢字の字形:甲骨文字から篆書、楷書へ』(2019年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2534],東京, viii+207 pp., ISBN:978-4-12-102534-0 → 読売新聞書評|目次|版元ページ)に続く3冊目.著者独自の系統樹ダイアグラム(「字形表」)はこの本でも大活躍.