『ニルス・リューネ』

イェンス・ピータ・ヤコブセン[奥山裕介訳]
(2021年5月下旬刊行予定,工作舎,東京, 本体価格3,600円, ISBN:978-4-86488-220-0版元情報

イェンス・ピータ・ヤコブセン(1847-1885)はチャールズ・ダーウィンの『種の起源』と『人間の進化と性淘汰』のデンマーク語訳を手掛けた淡水藻類学者.彼の小説『サボテンの花ひらく』はアルノルト・シェーンベルクの大作〈グレの歌〉の原作となった.

『「顔」の進化:あなたの顔はどこからきたのか』新聞書評

馬場悠男
(2021年1月20日刊行,講談社ブルーバックス・B-2159],東京, 270 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-06-522231-7版元ページ

本書の書評は時事通信社を介してすでにいくつかの新聞に掲載されている:陸奥新報(3月6日)・福島民報(3月6日)・島根日日新聞(3月9日)・十勝毎日新聞(3月13日).さらに河北新報(4月18日)にも掲載されたとのこと.ちょうど2年前に読売新聞で書評した:アレクサンダー・トドロフ[中里京子訳|作田由衣子監修]『第一印象の科学:なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』(2019年1月16日刊行,みすず書房,東京, 本体価格3,800円, ISBN:978-4-622-08762-5読売新聞書評目次版元ページ)も “顔” のもつ生物学的属性が人間心理に及ぼす影響を論じている.“顔” 研究の裾野は自然科学と人文社会科学を大きくまたいでいる.

『世界の紙を巡る旅』感想

浪江由唯
(2021年1月31日刊行,烽火書房,京都, 254 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-9911160-3-2目次版元ページ

先月からゆるゆる寝読みし続けて読了.世界を巡る300日にも及ぶ “紙の旅路” は,読み進むにつれてページの紙質が変わっていくので,読中感だけでなく触感的にも新鮮な読み心地だった.本書の目次をざっと見ると,アジアから始まって,北米・中米へ飛び,バルト三国を経て,ヨーロッパとイギリス,そしてまたアジアに戻るという旅程だ.とりわけ東南アジア諸国の特徴的な紙作りのプロセスが印象深い.ひるがえって日本国内の紙を巡る旅はどういうコースになるのだろう.まずは,理論社の〈和紙ってなに?〉シリーズ全4巻を手に取ってみましょうかね.