『読む・打つ・書く』書評拾い(26)

三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5コンパニオン・サイト版元ページ

『現代思想・2021年10月号(49巻12号)—— 特集〈進化論の現在〉』

(2021年10月1日刊行,青土社,東京, 本体価格1,500円, ISBN:978-4-7917-1420-9版元ページ

特集〈進化論の現在 —— ポスト・ヒューマン時代の人類の地球の未来〉.ワタクシの寄稿:三中信宏「体系学の舞台は変転し続ける —— 系統推定の理論化をめぐって」(pp. 13-22).計算機科学・数学・統計学が系統推定論に及ぼした半世紀にわたる影響について考察しました.ハワイ産Diellia属チャセンシダ類への言及あり.ちょっと “現代思想” っぽくなかったかもね.

『読む・打つ・書く』書評拾い(25)

三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5コンパニオン・サイト版元ページ

『進化理論の構造(1・2)』近刊予告

ティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]
(2021年11月刊行予定,工作舎,東京 → 近刊予告

究極の “鈍器本” が満を持して(いったい何年待っただろうか)翻訳出版されるとの予告.全2巻で2,000ページ! この際,価格はどうでもいいのだ.グールド『進化理論の構造』は沖縄の “シーサー” みたいなものなので,研究室の門口に立てておくと “魔除け” になるにちがいない(知らんけど).本書が翻訳されることはもう何年も前から翻訳者と出版社からじかに情報を得ていたので,「いつか出る」ことは知っていたが,「いつ出るか」は予想できていなかった.さて,どの媒体でどなたが本書を書評するのだろうか.

 

“グールド” の学問的・社会的受容の変遷史はとても興味深い.Gould-Lewontin 1979 の「スパンドレル論文」は確かに自然淘汰批判だが,生物学者に向けて書かれてはいない気がする.あの論文のレトリックについては:Jack Selzer (ed.) 『Understanding Scientific Prose』(1993年刊行, The University of Wisconsin Press[A Badger Reprint], Madison, xvi+388 pp., ISBN:0-299-13904-2 [pbk])でくわしく分析されている.いま検索したら,ウリカ・セーゲルストローレ[垂水雄二訳]『社会生物学論争史:誰もが真理を擁護していた(1・2)』(2005年2月23日刊行,みすず書房,東京, 上巻:ISBN:4-622-07131-2 / 下巻:ISBN:4-622-07132-0書評)にもスパンドレル論文の論争の背景が詳述されていた.

 

ついでだが,Eldredge-Gould 1972 の「断続平衡論文」もまた,生物学者向けではなく,どう読んでも科学哲学者を念頭に置いた内容だった.ワタクシは修士に入ってすぐにこれを読んだが,前後の “ちゃんとした” 古生物学の論文たちから浮きまくっていた.

「古い辞書は捨ててはならぬ」

新版が出たからといって,旧版の辞書を捨てるのは禁物.昔の辞書はその時代の “言語状況” を保存するツールなので,昔の本を読むときは昔の辞書が役に立つ.新しい版の辞書では対応できない場面がある.かつて,岩波『生物学辞典(第4版)』(1996年3月刊行,岩波書店)の進化・系統分野の項目選定委員をしていたとき,ワタクシは古めかしい「〜ゲネシス」系の項目を虱潰しに削除したことがある.岩波書店の編集者はそのとき「こういうことがあるので生物学辞典の旧版は保存してください」と一言.

『読む・打つ・書く』書評拾い(24)

三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5コンパニオン・サイト版元ページ

  • #作品メモランダム「「公開加圧」の効能」(2021年9月11日)※「Twitterという第三者の目がある場所に自分の進捗を投稿することで、「人目にさらしている」という意識が生じる。この意識を生じさせるための「公開加圧」なんである。」—— それですそれです.

『「書体」が生まれる:ベントンと三省堂がひらいた文字デザイン』

雪朱里
(2021年9月20日刊行,三省堂,東京, 16 color plates + 313 + vi pp., 本体価格3,300円, ISBN:978-4-385-34915-2版元ページ

タイプフェイスとかタイポグラフィーの本にとても強く誘引される傾向があり,この新刊も反射的に発注してしまった.数々の歴史的写真が載っている.すばらしい.

『読む・打つ・書く』書評拾い(23)

三中信宏
(2021年6月15日刊行,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5コンパニオン・サイト版元ページ

  • @n0rr ツイート(2021年9月1日) https://twitter.com/n0rr/status/1432744507880001539 ※一日一万字はムリですねー.一日四千字も書ければ御の字かな.一日四百字でもOK.要は毎日飽くことなく “小石を積み上げる” こと.
  • @isshonihon ツイート(2021年9月7日) https://twitter.com/isshonihon/status/1435050721221570561 ※どうもありがとうございます.ワタクシのコンパニオンサイトは,自著に関する出版後の興行イベント情報の周知,書評サンプリングリスト,文献リスト(オンライン版)などのまとめサイトとして公開しています.すべては自分のために手間ひまをかけています.