『生物科学』誌バックナンバーと目次の電子化公開

すでに終刊となっている『生物科学』誌バックナンバーの第1巻第1号(1949)から第62巻第1号(2010)まで、国立国会図書館デジタルコレクションで電子化公開されました。これに合わせて、同誌の全目次も公開されました。「生物科学」電子化編集委員会のみなさん、どうもありがとうございます。

『啓蒙の海賊たち —— あるいは実在したリバタリアの物語』書評完成

デヴィッド・グレーバー [酒井隆史訳]
(2025年4月23日刊行, 岩波書店、東京, xxxiv+179+17 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-00-061685-0目次版元ページ
https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2025/05/24/130151

書評原稿が仕上がったので編集部にメール送信完了。私の書棚には、岩波書店から1992年〜2003年にかけて刊行された『17・18世紀大旅行記叢書』(第 I 期・第 II 期)全21巻がずらりと並んでいる。この叢書の第一巻『最新世界周航記』を書いた17世紀のウィリアム・ダンピアは、私掠船(海賊船)に乗って世界の海を股にかけて暴れまわった “海賊(バッカニア)” である。海賊はテレビや映画にしか登場しないキャラクターではなく、生身の人間として世界史にくっきり足跡を残したことを私はあらためて知った。そういえば、あの時代は、本書の舞台であるマダガスカルのすぐ隣のモーリシャス島やレユニオン島に、その後は絶滅してしまったドードーがまだ生息していた。ドードーと海賊の姿が重なる錯覚を覚えた。

上記書評は時事通信社から新聞各社に配信されることになっている。

『裸のネアンデルタール人 —— 人間という存在を解き明かす』日本経済新聞書評掲載

リュドヴィック・スリマック[野村真依子訳]
(2025年5月10日刊行, 柏書房、東京, 271 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7601-5604-7目次版元ページ

本日の日本経済新聞に書評が載りました:三中信宏偏見払った ありのままの姿」(2025年5月24日)。

『ダウンタウン・ヒーローズ』目次

早坂暁
(1986年9月20日刊行、新潮社、東京, 284 pp., ISBN:4-10-363601-7

自伝的小説はいつもはほとんど読まないのだが(小説というものは基本読まない)、旧制松山高等学校と道後温泉(とくに松ヶ枝遊廓)についてよくわかると教えられて読了。これを映画にするのは難しいわなあ。


【目次】
刺青 7
わが大正座 35
女相撲 57
別嬪さん 97
続・別嬪さん 110
夏が来れば思い出す 125
「理髪師チッターライン」 167
松山マフィア 209

『大阪ことばの謎』目次

金水敏
(2025年5月5日刊行、SBクリエイティブ[SB新書・691]、東京, 255pp., 本体価格950円, ISBN:978-4-8156-2471-2版元ページ


【目次】
はじめに 3

第一章 大阪人のしゃべりはなぜ軽快か——大阪弁のリズム 15

【コラム1】ちゃうちゃうちゃうんちゃう?——「ちゃう」について 42

第二章 歌う大阪弁——アクセントが作ることばのメロディー 45

【コラム2】ソースの二度漬け禁止やで——指定辞の「や」 72

第三章 大阪弁・関西弁はひとつじゃない——ほんものの「大阪弁」とは? 75

【コラム3】地震や、揺れてはる——ハル敬語について 102

第四章 大阪弁はいつ、どのように生まれたのか——「コテコテ大阪弁」の誕生とその後 105

【コラム4】アホちゃいまんねん、パーでんねん——コテコテ大阪弁の敬語たち 132

第五章 大阪人は本当にケチか——ステレオタイプの成立と変容 137

【コラム5】「さん」と「はん」——「おけいはん」は正しいか? 172

第六章 大阪人のコミュニケーションはどこがちがうのか——大阪人はストリートファイター 175

【コラム6】「自分」って誰?——自称詞と対称詞にまたがる代名詞 202

第七章 日本語話者はなぜ大阪弁に魅せられるのか——ポストモダン化する日本語話者 205

【コラム7】ゆうた、しもた、こうた、わろた——全国化する関西弁 232

 

おわりに 235
参考文献 246
資料出典 252

『文化系統学への招待 —— 文化の進化パターンを探る』響音(9)

中尾央・三中信宏(編著)

(2012年5月25日刊行/2012年10月10日第2刷刊行,勁草書房, 東京, x+213+xi pp., 本体価格3,200円[税込価格3,360円], ISBN:978-4-326-10216-7版元ページコンパニオン・サイト響音録

諫早庸一「写本系譜学の系譜」(2018年1月19日)

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/111314/56f973897d3a33973de12e3bd70d8fc1

十年以上も前に編んだ論文集だが、書評していただいてありがたいことこの上なし。

『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』残響(92)

三中信宏

(2009年9月20日第1刷刊行/2009年10月8日第2刷刊行/2009年12月3日第3刷刊行/2013年7月26日電子本刊行/2015年5月8日第4刷刊行/2018年1月19日第5刷刊行/2021年11月8日第6刷刊行,講談社[現代新書2014],本体価格900円(税込価格990円),328 pp.,ISBN:978-4-06-288014-5目次コンパニオンサイト版元ページ残響録

YouTube「【積読チャンネル】生物の分類を考えると、哲学に行き着く。」(2025年5月12日)

https://youtube.com/watch?v=JTSSXasW-xQ

拙著『分類思考の世界』(2009)が取り上げられていました。すごい数のコメントが付いている。これはうちの学生たちにも紹介しておこうかな。

『啓蒙の海賊たち —— あるいは実在したリバタリアの物語』目次

デヴィッド・グレーバー [酒井隆史訳]
(2025年4月23日刊行, 岩波書店、東京, xxxiv+179+17 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-00-061685-0版元ページ


【目次】

序文 v

 (とびきり)ラディカルな啓蒙主義 xxi

第一部 マダガスカル北東部の海賊と偽王 1

 海賊がマダガスカルにやってきた 6
 掠奪品の問題 8
 サントマリーの実体経済 13
 実在のリバタリア I ──アンブナヴラ 21
 さらなる偽王、ジョン・プランタン 28
 年代にかんするいくつかの問題 34

第二部 マダガスカル人の目に映った海賊の来訪 45

 アブラハムの子孫たちに抗する性革命? 47
 政治のコマとしての女性 60
 女商人と魔法のお守り 72
 家内の諸事象 80
 軍事的権力と性的権力の対立について 84

第三部 海賊の啓蒙 93

 発端の状況 100
 最初の挑戦 110
 大カバリ 113
 誓約儀礼 117
 王になったラツィミラフ 123
 英雄たちの戦い 134
 宮廷と王国、そしてザナマラタの台頭 142

結論 151

 実在のリバタリア II ──ベツィミサラカ連合 156

 

 地図 161
 海賊と啓蒙の時系列 162
 訳者あとがき 167
 参考文献 [7-17]
 文献注 [1-6]

『裸のネアンデルタール人 —— 人間という存在を解き明かす』目次

リュドヴィック・スリマック[野村真依子訳]
(2025年5月10日刊行, 柏書房、東京, 271 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7601-5604-7版元ページ


【目次】
はじめに 9
第一章 ネアンデルタール人の正体 13
第二章 北極圏の冒険譚――マンモスの民からクジラの民まで 45
第三章 森の食人種? 105
第四章 儀礼と象徴?――疑問を検証する 145
第五章 ネアンデルタール人の美意識 183
第六章 人間という存在を解き明かす 223
結論 この生き物を解放せよ 265
参考文献 267