『誰も読まなかったコペルニクス:科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険』

オーウェン・ギンガリッチ

(2005年9月30日刊行,早川書房ISBN:4152086734



メイン・タイトルを見ただけではイマイチ魅力が感じられなかったが,サブタイトルに惹かれて即購入.科学史の上で文字通りの“コペルニクス的展開”のきっかけとなった著書『天球の回転について』の刊本に書き込まれたこれまた文字通りの“マルジナリア”を手がかりにして,コペルニクスを中心とする当時の科学者のネットワークをたどろうとする.著者の眼のつけどころのユニークさもさることながら,広範囲におよぶ書誌学的フィールドワークが読みどころだろう.十分に期待できる内容だ.




【目次】
序 13
第1章 法廷での一日 21
第2章 追跡開始 33
第3章 コペルニクスの足跡を追って 54
第4章 「四旬節プレッツェル」と周転円神話 74
第5章 「さる著名な人物自筆の書き込みのある」 92
第6章 試練の時 120
第7章 ヴィッティッヒ・コネクション 139
第8章 大きい本ほど長く生き延びる 154
第9章 禁じられたゲーム 179
第10章 宇宙の中心 199
第11章 見えない大学 221
第12章 惑星の影響 241
第13章 「洗練された」ご婦人方 260
第14章 鉄のカーテン−−消滅前・消滅後 282
第15章 調査終了に向けて 304
エピローグ 326
付録1 エカントから小周転円へ 335
注 339
訳者あとがき 357
付録2 『回転について』の所在地 [373-363]
参考文献注解 [380-374]
事項索引 [390-381]
人名索引 [396-391]