『句読点、記号・符号活用辞典。』

小学館辞典編集部(編)

(2007年9月17日刊行,小学館,東京, 305 + xiv pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-09-504176-6目次版元ページ

この辞書のスゴイところは,文章中の句読点や括弧などの“約物”の実例文がたくさん載っていて,この点は他の類書にはない特長だ.その用例が規範的に固定されている単語や熟語とはちがって,約物の使用法の変異は幅広いようだ.だからこそ例文が豊富なほど役に立つ.たとえば,ぼくが地の文で頻用する隅付き括弧【 】については,「【 】が一般の文章中で〈 〉や〔 〕のように引用符・挿入符として使用されることは少ない」(p.104)と書かれている.だからこそ,その使用が表現上の効果として目を惹くことを初めて知った.ダブル・ミニュート(〟 〝)のような,ぼくがこれまで使ったことがない記号類もある.さらに,「白点」や「二重パーレン」のように,実際に使用されている(た)ものの,パソコンの日本語変換システムに実装されていない記号類がいくつもあることがわかる.