『生物哲学の基礎』

マルティン・マーナ,マリオ・ブーンゲ[小野山敬一訳]

(2008年7月26日刊行,シュプリンガー・ジャパン,xxii+558 pp., 本体価格13,000円,ISBN:9784431100256 [hbk] → 版元ページ(英語版)版元ページ(独語版)訳者サイト英語版目次



【目次】
日本語版への緒言(マルティン・マーナ,マリオ・ブーンゲ) iii
序文 v
謝辞 ix
目次 xi
特殊記号 xix
日本語訳にあたっての凡例 xxi

第1部 哲学的基礎

第1章 存在論的基礎 3
1.1 形而上学と科学 3
 1.2 物と構築体 5
 1.3 性質 9
  1.3.1 性質そのもの 9
  1.3.2 性質と述語 11
  1.3.3 類的性質と個的性質 13
  1.3.4 法則 15
1.4 状態 18
 1.4.1 状態関数 18
 1.4.2 状態空間 19
 1.4.3 法則率的状態空間 21
1.5 事象,プロセス,歴史 21
1.6 さらに物と構築体について 27
 1.6.1 物質性と変化可能性 27
 1.6.2 観念性と変化不可能性 27
 1.6.3 時空性と個物性 28
1.7 全体 30
 1.7.1 集合体とシステム 30
 1.7.2 システムのCES分析 31
 1.7.3 創発 36
 1.7.4 集成と自己組織化 42
1.8 事実 43
 1.8.1 客観的事実 43
 1.8.2 現象 44
1.9 因果連関 45
 1.9.1 「原因」という用語の広義の(または誇張的)使用 45
 1.9.2 エネルギー移転としての因果連関 46
 1.9.3 因果連関への状態空間アプローチ 47
 1.9.4 原因と理由 49
 1.9.5 生物学における因果連関 49
1.10 偶然と確率 51
 1.10.1 偶然とランダム性 51
 1.10.2 確率の数学的理論とその解釈 53
  1.10.2.1 傾向性解釈 53
  1.10.2.2 傾向性解釈への異論 54
  1.10.2.3 論理的解釈 57
  1.10.2.4 主観主義的解釈 58
  1.10.2.5 頻度解釈 59
  1.10.2.6 結論 60
1.11 結語 61

第2章 意味論的基礎と論理的基礎 65
2.1 概念と命題 65
2.2 外延と指示 68
2.3 意味 72
2.4 論理学 75

第3章 認識論的基礎 77
3.1 認知と知識 78
 3.1.1 認知 78
 3.1.2 知識 79
 3.1.3 『知識それ自体』 80
 3.1.4 知識の種類 83
 3.1.5 知識と信念 85
3.2 知覚と観察 86
 3.2.1 知覚 87
 3.2.2 現象論対実在論 88
 3.2.3 観察 90
 3.2.4 データ 93
3.3 探究 94
 3.3.1 直観 95
 3.3.2 方法 96
3.4 仮説 98
 3.4.1 推測と仮説 98
 3.4.2 仮説の生成 99
 3.4.3 仮説の作用域と深さ 100
 3.4.4 仮説の方法論的地位 103
3.5 理論とモデル 105
 3.5.1 理論の構造または構文 106
 3.5.2 理論の意味論:個体群成長の理論 109
 3.5.3 理論の抽象,一般性,深さの程度 113
  3.5.3.1 抽象の程度 113
  3.5.3.2 一般性の程度 117
  3.5.3.3 深さの程度 119
 3.5.4 形式的および事実的な理論とモデル 120
 3.5.5 理論の操作化 121
 3.5.6 科学理論についての新実証主義的または『受認』見解 124
 3.5.7 理論と規約 126
  3.5.7.1 定義 126
  3.5.7.2 表記上の規約,単位,そして仮定を単純化すること 130
 3.5.8 理論と法則(法則言明) 131
3.6 理解 133
 3.6.1 説明 133
  3.6.1.1 記述 134
  3.6.1.2 包摂 134
  3.6.1.3 本来の説明 135
  3.6.1.4 説明の種類 138
 3.6.2 予測 142
 3.6.3 統一 144
  3.6.3.1 還元 144
  3.6.3.2 還元主義 147
  3.6.3.3 統合 148
3.7 テストと証拠 150
 3.7.1 いくつかの方法論的原理 150
 3.7.2 証拠とテスト可能性 151
 3.7.3 確証対反証 157
 3.7.4 経験的操作 158
  3.7.4.1 測定 158
  3.7.4.2 実験 160
3.8 真理と真理指標 163
 3.8.1 真理 163
3.8.2 真理の指標 167
3.9 結語 170

第2部 生物哲学の根本的争点

第4章 生命 175
4.1 生命とは何か? ―― 哲学的-科学的問題 175
4.2 生命システム 178
4.3 基本的生命システム,複成的生命システム,生物体 184
4.4 人工生命 188
4.5 生物種と生物個体群 193
4.6 機能と適応 196
 4.6.1 内的活動と外的活動 196
 4.6.2 生物的価値 200
 4.6.3 適合と適応 202
  4.6.3.1 「適応」の8つの意味 202
  4.6.3.2 適合 204
  4.6.3.3 適応 206
 4.6.4 生物学における5つの機能概念 208
 4.6.5 機能的説明 212
 4.6.6 適合性と適応性 213

第5章 生態学 217
5.1 超有機体的存在者 217
5.2 群集と生態系の存在論的地位 220
5.3 生命レベル 224
5.4 生態的ニッチ 229
5.5 生態学の科学的地位 234
 5.5.1 基礎科学 235
 5.5.2 基礎科学としての生態学 237
 5.5.3 ちょっと寄り道:生態学的システムにおけるカオス 239
 5.5.4 応用科学と科学技術 244
 5.5.5 生態学:基礎的,応用的,あるいは科学技術的? 246
 5.5.6 生態学は自律的科学か? 248

第6章 心理生物学 251
6.1 心理学への生物学的アプローチの成功 251
6.2 心身問題 252
6.3 心的状態とプロセス 256
6.4 心 258
 6.4.1 基本的概念 258
 6.4.2 心と物質の相互作用 259
 6.4.3 心はどこにあるか? 260
6.5 意識 262
6.6 意図 265

第7章 体系学 269
7.1 分類学の哲学 269
7.2 概念論 271
 7.2.1 概念形成 271
  7.2.1.1 識別 271
  7.2.1.2 共通性:等価と類似 272
  7.2.1.3 グループ化 273
  7.2.1.4 集合 274
  7.2.1.5 クラス 275
  7.2.1.6 類 275
  7.2.1.7 広義の自然類 276
  7.2.1.8 種あるいは狭義の自然類 279
  7.2.1.9 ちょっと寄り道:クラス化の心理生物学 281
 7.2.2 分類 283
  7.2.2.1 分割による分類 283
  7.2.2.2 分類の一般的原理 284
  7.2.2.3 生物の自然分類の基本 292
  7.2.2.4 体系学と進化理論 297
  7.2.2.5 分類の論理的および方法論的地位 308
  7.2.2.6 分類学,分類,体系学 311
  7.2.2.7 3つの分類学:分岐分類学,進化分類学,表型分類学 312
7.3 生物唯名論 318
 7.3.1 弱い生物唯名論 319
  7.3.1.1 生殖共同体としての種 320
  7.3.1.2 先祖ー末裔個体群の系譜としての種 323
  7.3.1.3 個物としての種と分類 325
  7.3.1.4 個物としての種と法則 326
 7.3.2 強い生物唯名論:個物としてのタクソンと分類 328
 7.3.3 生物唯名論とそれが含意するもの 337
 7.3.4 結論 339

第8章 発生生物学 341
8.1 発生とは何か? 341
 8.1.1 発生プロセスと発生 341
 8.1.2 発生プロセスの諸型 344
  8.1.2.1 形態形成 344
  8.1.2.2 分化 346
  8.1.2.3 成長 347
8.2 前成論対後成論 348
 8.2.1 伝統的前成論 348
 8.2.2 伝統的後成論 350
 8.2.3 現代的前成論または新前成論 351
  8.2.3.1 遺伝的情報主義 352
  8.2.3.2 DNAは発生の第一発動者か? 357
  8.2.3.3 遺伝子型-表現型という二分法 361
 8.2.4 現代的または新後成論 369
  8.2.4.1 発生的構造主義 369
  8.2.4.2 発生的構築主義 375
  8.2.4.3 後成論的総合 382

第9章 進化理論 389
9.1 進化と種形成 389
 9.1.1 種形成としての進化という存在論的概念 389
 9.1.2 生物学における種形成 391
 9.1.3 種形成そのものとその帰結のいくつか 400
9.2 自然淘汰理論 403
 9.2.1 適応性と適性[フィットネス] 403
 9.2.2 淘汰の概念 409
  9.2.2.1 淘汰の存在論的概念 409
  9.2.2.2 自然淘汰 411
  9.2.2.3 個体群進化のメカニズムとしての自然淘汰 414
 9.2.3 淘汰の単位 416
  9.2.3.1 淘汰の単位とは何か? 416
  9.2.3.2 遺伝子,配偶子,細胞,生物体 418
  9.2.3.3 群または個体群 418
  9.2.3.4 種とクレード 420
  9.2.3.5 記述の単位 422
  9.2.3.6 『仕切り離し』と淘汰の単位 425
 9.2.4 結論 428
9.3 進化理論の構造 429
 9.3.1 『進化理論』とは,いったい何か? 429
 9.3.2 進化理論の構造ではないもの 430
  9.3.2.1 科学理論についての構造主義者の(Suppesの)概念化 431
  9.3.2.2 『意味論的』見解 434
  9.3.2.3 理論についての『意味論的』見解(構造主義的見解を含む)と生物学 438
  9.3.2.4 結論 443
 9.3.3 進化理論の実際の構造 445
 9.3.4 エントロピー話と情報話による統一? 449
 9.3.5 進化はアルゴリズムか? 450
 9.3.6 進化理論の方法論的地位 452

第10章 目的論 459
10.1 外的および内的目的論 460
10.2 目的律 462
 10.2.1 半目的律 462
 10.2.2 汎目的律 462
  10.2.2.1 サイバネティックシステムと目的律 464
  10.2.2.2 プログラムは目標を授ける存在者か? 464
  10.2.2.3 結論 470

第11章 おわりに 473


文献 477
訳者あとがき(小野山敬一) 505
人名索引 511
事項索引 518