『世界のことば・辞書の辞典(アジア編)』

石井米雄(編)

(2008年8月25日刊行,三省堂,xii+416 pp.,本体価格3,200円,ISBN:9784385363929目次版元ページ



「ヨーロッパ編」の姉妹編である「アジア編」では,30の言語を取り上げている.まず書体そのものが西洋のアルファベットとはぜんぜんちがう.当たり前の事実だが,ずらっと並ぶと壮観だ.また,ヨーロッパ編に載っている言語に比べれば,未知度がはるかに高いので,未踏地の探検のようでもある.数年前にJR東京駅地下の古書店で,店頭の平台に乗っていたネパール語の大きな辞典をたった「300円」で入手したことがある.もちろん,ぼくにとってネパール語は未知の言語で,叩き売りのように手に入れたその辞書がいったいいかなるものかぜんぜん知らなかった.しかし,本書の「ネパール語」の項を見ると,その辞書が実は「ネパール語史上にかがやく古典的辞書の筆頭」(p. 248)であることを初めて知った.ああそうだったのか.買ってからずっとホコリまみれにしてしまって申し訳ありませんでした,ターナーさん.