『Confounding Factors in Phylogenetic Analysis: A Simulation Study』

Simon Ho

(2008年7月18日刊行,VDM Verlag Dr. Müller, Saarbrücken,iv+87 pp.,ISBN:9783639046106 [pbk] → 版元ページ著者サイト



内容的には,系統推定の過誤の要因の影響をコンピューター・シミュレーションを用いて検討していて,とくに,塩基組成の不均一性(compositional heterogeneity)が系統関係や分岐年代の推定のパフォーマンスをどのように左右するかが後半の章で詳述されている.

著者自身のサイトを見ると,本書は2003年にシドニー大学に提出された修士論文(!)を単行本として出版したものだという.この版元は,そういう性格の出版物を他にも多く手がけているらしい.100ページ足らずの(しかも視力検査のごとく細かい活字で組まれた)ペーパーバックに「Euro 53.90」という高値を付けるのもむべなるかな.1研究室に1冊あればいいかも.