『日本語活字ものがたり:草創期の人と書体』

小宮山博史

(2009年1月23日刊行, 誠文堂新光社[文字と組版ライブラリ1], 東京, 270 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784416609026目次版元ページ

本書の最終章「アイディアは秀,字形は不可 —— 偏傍・冠脚を組み合わせる分合活字」では,かつてのフランス王立印刷所での漢字の活字について述べられている.同じような本を以前に読んだことがあると記憶をたどってみたら,この本(というか写真集)だった:港千尋文字の母たち』(2007年3月23日刊行, インスクリプト, 110 pp., 本体価格3,000円, ISBN:9784900997165書評版元ページ).フランス王立印刷所を引き継ぐフランス国立印刷所に遺されていた古い漢字活字(秀英体明朝)とその印字の写真がたくさん載っている.「旅する漢字」(pp. 58 ff.)では,中国からフランスへ渡った「漢字」について触れられている.「分合」という特殊な組版の方式にも言及されている.