『狼の民俗学:人獣交渉史の研究』

菱川晶子

(2009年3月25日刊行, 東京大学出版会, viii + 412 + vi pp., 本体価格7,200円, ISBN:9784130563055目次版元ページ

「狼」の民俗学に関する本は意外にたくさん出ているようだが,本書はその系列の最新刊にあたる.「狼」をめぐる民間説話や民俗信仰にまでふみこんで,日本の文化のなかで「狼」といういまはいなくなってしまった生きものがどのような役割を演じていたかを明らかにしようとする論考.昨年出た:安藤元一『ニホンカワウソ:絶滅に学ぶ保全生物学』(2008年11月20日刊行,東京大学出版会ナチュラルヒストリーシリーズ],viii+233 pp.,本体価格4,400円,ISBN:9784130601894目次版元ページ)は,絶滅したニホンカワウソの生物学の本だが,この本にも「民俗」にかかわる内容が含まれている(とくに第1章).