『イメージの自然史:天使から貝殻まで』

田中純

(2010年6月18日刊行,羽鳥書店,東京,4+x+291+25 pp.,本体価格3,600円,ISBN:9785904702116版元ページ著者サイト

【目次】
カラー口絵
序 i

I 図像的転回の源流へ 1

  第1章 イメージの系譜学――図像アトラス「ムネモシュネ」の方法 2
  第2章 アートヒストリーとナチュラルヒストリー――種・様式・シークエンス 13

II 進化のイメージ 29

  第1章 その馬を見よ――進化の肌理、歴史の知覚 30
  第2章 ヒトの「おもかげ」――ヘッケル『人類の発生』と《泰治君の夢》 37
  第3章 歪んだ創世記――『シュルツ全小説』に寄せて 43
  第4章 天使をめぐって 48
(1) 天使の博物誌――フェヒナー『天使の比較解剖学』 48
(2) 始祖鳥のメタモルフォーゼ――押井守天使のたまご』 55
  第5章 『リヴァイアサン』から『崖の上のポニョ』へ――ある象徴の系譜 67
  第6章 楳図かずおの進化論――ムシとコドモ 74
  第7章 幼形成の哀しみ――ビョークの人形愛 85

III 情念のかたち 93

  第1章 転生するニンフたち――ヴィヴィアン・ガールズの情念定型 94
  第2章 鬼神たちの回帰――クロソウスキー古代ローマの女たち』 102
  第3章 表象の墓碑銘――ゴンブリッチ「棒馬考」考 109
  第4章 メランコリーをめぐって 115
(1) 弥勒とメランコリー――タルホからゴヤへ 115
(2) 我ら、土星の子供たち――メランコリーの形式 121
  第5章 イメージのサヴァイヴァル――ゴダール『映画史』132
  第6章 人形文字/文字という人形――多和田葉子「ゴットハルト鉄道」 140
  第7章 まなざしの色彩――シェーンベルクのドローイング 150
  第8章 書物のヒエログリフ化――『政治の美学』をめぐって 157

IV 写真という多面体 165

  第1章 細部の野蛮な自律性――矢代幸雄・ヴァールブルク・バタイユ 166
  第2章 歪んだガラス――修整写真の欲望 182
  第3章 写真の解剖学――歴史の証拠物件 188
  第4章 時のアウラ――ロッシとタルコフスキーのポラロイド写真 195
  第5章 石と化したスナップショット――ゲオルゲのイメージ戦略 202
  第6章 見えない抹消線――高梨豊『地名論』 209

V 都市の波打ち際 219

  第1章 塔と貝殻――アルド・ロッシの詩学 220
  第2章 多孔性の科学――生命の楼閣、都市の生命 227
  第3章 波打ち際の知――『都市の詩学』への追記 234
  第4章 都市表象分析とは何か――自註の試み 250
(1) 「非都市の存在論」から「都市表象分析」へ 250
(2) 発掘された幼年時代―― 「語り」のかたち 265


註 280
跋 288
初出一覧 290
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