『Oedipus Aegyptiacus』

Athanasius Kircher

(1652 - 1654年刊行,Ex Typographia Vitalis Mascardi, Romae)

慶應義塾図書館(三田)の貴重書室で閲覧したアタナシウス・キルヒャーの羊皮紙本について鉛筆メモのまま放置したのでは散逸してしまうおそれが高い.乱雑さを残したまま,とりあえず下記に記録しておこう.まず一冊目は全4冊からなる大著:


【著者】Athanasius Kircher

【書名】Oedipus Aegyptiacus[エジプトのオイディプス

【刊行】1652 - 1654年(全3巻4分冊)

【出版】Ex Typographia Vitalis Mascardi, Romae

【所蔵】慶應義塾図書館(三田)5階貴重書室

【所在】141X@117@4@1

【番号】10201103443

この『Oedipvs Aegyptiacus』はサイズが「23cm×33cm」で全4巻構成.革装幀はされておらず仮綴じのまま.エジプトのヒエログリフ象形文字)の解読を目指したことで有名な本書だが,今回の閲覧では図版参照が主目的だったので最初の2巻(Tome I と Tome II)を借出した.ラテン語の本文にアラビア語ヘブライ語ギリシャ語など複数の言語が入り混じる大著.第1巻(Tome I: Syntagma I - V, 424 pp. + index)は,エジプトの折込み地図に始まる地理と歴代王朝の説明.Syntagma III, Caput VII, p.152 に「知の三角形」図版あり.Intellectus と Homo を含む.また,Syntagma V, Caput III, p. 404 には「Amida Numen」という阿弥陀仏の図像あり.

第2巻(Tome II: Class I - VI, 440 pp. + index).Class I はシンボル論,Class II は文法論,Class III は Sphinx Mystagoga(p. 204に図あり),Class IV「Cabala Hebraeorum」にヘブライカバラ主義に関する記述あり.同章 Caput VII, pp.286-7 間の折込み図として「カバラの樹(Speculum Cabalae Mysticae)」あり.「Arbor mystica in medio Paradisi ad 72 gentium salutem」と記されている.出典元?は「Iconismus inferendus tom. II, Fol.287」.続く pp.288-9間の折込み図が有名な「セフィロトの樹(Systema Sephiroticum)」.

—— 残り2冊は閲覧する時間がなかったが,ターゲットの図版の所在を確認できたので,これでよしとしよう.