『Arca Noë』

Athanasius Kircher

(1675年刊行,Joannem Janssonium, Amstelodami)

三田の慶応義塾図書館でその現物を手にしたアタナシウス・キルヒャーの二冊目は,生物地理学の古典としても引用されることがあるこの本:


【著者】Athanasius Kircher

【書名】Arca Noëノアの方舟

【刊行】1675年

【出版】Joannem Janssonium, Amstelodami

【所蔵】慶應義塾図書館(三田)5階貴重書室

【所在】142X@84@1

【番号】10200862265

本書は総革装.まず p.23 に「エデンの園」の地図がある:「Descriptio Regionis Edeniae」.続く pp.28-9 間の折込み図としてノアの方舟の建造途中,全体構造(pp.36-7間折込み図),6パーツ(6隻?)分割での外部構造と内部構造(pp.48-9間折込み図)が載っている.Caput IV, pp. 51ff. からはノアの方舟に積み込まれた生物たちの博物誌が延々と続く.p.101に「Nomenclatura Animalium」,続く p.102 に「Nomenclatura Volucrum」,pp.108-9間折込み図としてノアの方舟の船室割当,pp.116-7間の巨大(横1m×縦50cm)な折込み図は鳥瞰図(ornithotropheion),pp.126-7間の折込み図は大洪水のようす,p.159にはアララット山頂に方舟が漂着した図,192-3間の折り込みは洪水後の世界地図(極東に日本も認められる).226-7の折込み図はノア以降の家系図(Arbor genealogiae Noëticae),そしてp.237にはアダム末裔の家系図(genealogica de Adam Usque Abram).いずれも家系図を「樹」として表示している.

—— 時間があればもっと詳細なメモを取ることもできたのだが,ほとんど駆け足のように羊皮紙をめくり続けた時間だった.