『生物進化を考える』

木村資生

(1988年4月20日刊行,岩波書店岩波新書・新赤版19],東京,ISBN:4004300193版元ページ

木村資生は一般向けの進化本をほとんど書かなかったので,この岩波新書は例外中の例外といえる.本書での優生学に関わる文章表現については,岩波書店の編集サイドで原文に手を入れたと伝え聞く.木村の優生学的信念については,他の文献,たとえば木村資生(編著)『遺伝学から見た人類の未来』(1974年12月刊行,培風館,東京,ISBN:456303729X
)でのもっとストレートな表現を参照するとともに,同時代の遺伝学コミュニティでの見解(優生学にからんで J. B. S. Haldane や H. J. Muller の名が挙がる)などにも照らして判断すべきだろう.