『民族という虚構』

小坂井敏晶

(2002年10月10日刊行,東京大学出版会,東京,viii+201+3 pp.,本体価格3,200円,ISBN:4130100890書評版元ページ

【目次】
はじめに i


第1章:民族の虚構性 1

 民族と人種 1
 人種概念を支える詭弁 3
 民族とは何か 10
 民族対立の原因 16
 差別の正体 19

第2章:民族同一性のからくり 29

 民族は実体か 30
 血縁神話 34
 血縁の意味 39
 常に変化する文化 44
 心理現象としての同一性 48

第3章:虚構と現実 59

 捏造される現実 60
 無根拠からの出発 63
 社会の自立運動 67
 支配の役割 69
 疎外が可能にする理由 73

第4章:物語としての記憶 79

 自己同一性と記憶 80
 自立幻想 81
 個人主義の陥穽 85
 脳という虚構作成装置 87
 意識という物語 89
 集団的記憶の在処 94
 歴史解釈の相対性 95
 歪曲の心理過程 99
 事実とは何か 105
 真理と確信 109

第5章:共同体の絆 119

 集団的責任の心理 120
 契約としての集団的責任 124
 契約とは何か 129
 社会契約論の敗北 132
 個人主義全体主義の共犯関係 137
 個人と社会の関係をどう捉えるか 142

第6章:開かれた共同体概念を求めて 157

 多民族・多文化主義の陥穽 158
 国民形成を妨げる要因 160
 日本文化の免疫システム 168
 集団同一性の変化 175
 影響の新しい見方 180
 影響と創造 185
 何が問題なのか 188


あとがき 199
索引 [1-3]