『Born to Rebel: Birth Order, Family Dynamics, and Creative Lives』

Frank J. Sulloway

(1996年10月刊行,Pantheon Books, New York, xviii+653pp., ISBN:0679442324 [hbk] → 感想

本書については,スティーヴン・ジェイ・グールドは『マラケシュの贋化石:進化論の回廊をさまよう科学者たち』(2005年11月30日刊行,早川書房ISBN:4152086858 [上巻] / ISBN:4152086866 [下巻] )の下巻第19章「ドリーのファッション,ルイのパッション」で詳しく論じている(とくに pp. 172 ff.).出版される20年も前にサロウェイはデータがすでにそろっていて,グールドは早く出版しろとずいぶん急かしたらしい.家族内での出生順序という「先天的」ではあるが「遺伝的」ではない環境要因が子どもの人生に及ぼす影響について,グールドは本書が20年早く1970年代に(すなわち社会生物学論争の真っ只中に)出版されていたならばもっとインパクトがあったにちがいないと書いている.ワタクシが最初にサロウェイ本の存在を知ったのは,Darwin-L に Robert J. O'Hara が新刊紹介をしたときだったと記憶している.