『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上)』

ジャレド・ダイアモンド[倉骨彰訳]

(2000年10月2日刊行,草思社,東京,317 pp., ISBN:4794210051 (hbk) / ISBN:9784794218780 (草思社文庫[2012年2月近刊]) → 版元ページ

【上巻目次】

日本語版への序文――東アジア・太平洋域からに見た人類史 1


プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
ヤリの素朴な疑問 16
現代世界の不均衡を生みだしたもの 19
この考察への反対意見 22
人種による優劣という幻想 24
人類史研究における重大な欠落 29
さまざまな学問成果を援用する 35
本書の概略について 38


第1部 勝者と敗者をめぐる謎 47



第1章 一万三〇〇〇年前のスタートライン
人類の大躍進 48
大型動物の絶滅 57
南北アメリカ大陸での展開 62
移住・順応・人口増加 71


第2章 平和の民と戦う民との分かれ道
マオリ族とモリオリ族 77
ポリネシアでの自然の実験 79
ポリネシアの島々の環境 83
ポリネシアの島々の暮らし 86
人口密度の違いがもたらしたもの 89
環境のちがいと社会の分化 95


第3章 スペイン人とインカ帝国の激突
ピサロと皇帝アタワルパ 99
カハマルカの惨劇 101
ピサロはなぜ勝利できたか 109
銃・病原菌・鉄 119


第2部 食料生産にまつわる謎 121



第4章 食料生産と征服戦争
食料生産と植民 122
馬の家畜化と征服戦争 129
病原菌と征服戦争 131


第5章 持てるものと持たざるものの歴史
食料生産の地域差 133
食料生産の年代を推定する 135
野生種と飼育栽培種 140
一歩の差が大きな差へ 148


第6章 農耕を始めた人と始めなかった人
農耕民の登場 149
食料生産の発祥 151
時間と労力の配分 154
濃厚を始めた人と始めなかった人 156
食料生産への移行をうながしたもの 158


第7章 毒のないアーモンドの作り方
なぜ「栽培」を思いついたか 165
排泄場は栽培実験場 167
毒のあるアーモンドの栽培化 169
突然変異種の選択 174
栽培化された植物とされなかった植物 180
食料生産システム 183
オークが栽培されなかった理由 185
自然淘汰と人為的な淘汰 190


第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
人間の問題なのか、植物の問題なのか 193
栽培化の地域差 195
肥沃三日月地帯での食料生産 199
八種の「起源作物」 204
動植物に関する知識 210
ニューギニアの食料生産 217
アメリカ東部の食料生産 222
食料生産と狩猟採集の関係 227
食料生産の開始を遅らせたもの 229


第9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
アンナ・カレーニナの原則 233
大型哺乳類と小型哺乳類 234
「由緒ある家畜」 236
家畜化可能な哺乳類の地域差 239
他の地域からの家畜の受け入れ 242
家畜の初期段階としてのペット 245
すみやかな家畜化 246
繰り返し家畜化された動物 248
家畜化に失敗した動物 248
家畜化されなかった六つの理由 251
地理的分布、進化、生態系 260


第10章 大地の広がる方向と住民の運命
大地の広がる方向と住民の運命 263
食料生産の伝播の速度 264
西南アジアからの食料生産の広がり 270
東西方向への伝播はなぜ速かったか 275
南北方向への伝播はなぜ遅かったか 279
アメリカ大陸における農作物の伝播 280
技術・発明の伝播 283


第3部 銃・病原菌・鉄の謎



第11章 家畜がくれた死の贈り物
動物由来の感染症 288
進化の産物としての病原菌 292
症状は病原菌の戦略 295
流行病とその周期 298
集団病と人口密度 300
農業・都市の勃興と集団病 302
家畜と人間の共通感染症 304
病原菌の巧みな適応 306
旧大陸からやってきた病原菌 310
新大陸特有の集団感染症がなかった理由 313
ヨーロッパ人のとんでもない贈り物 315