『世界樹木神話【新装版】』

ジャック・ブロス[藤井史郎・藤田尊潮・善本孝訳]

(2008年10月30日刊行,八坂書房,東京,528 pp., 本体価格3,800円, ISBN:9784896949193版元ページ

先日,渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムのショップで現物をたまたま見かけたので発注.こういう樹木文化史の大著がすでに出ていたとはぜんぜん知らなかった.偶然邂逅のたまもの.2000年8月に出た翻訳の新装版とのこと.原書は:Jacques Brosse『Mythologie des arbres』 (1989年刊行, Librairie Plon, Paris, ISBN:2259020313).

本書と同様の視点で,「樹木」を文化史的に考察した以下の本も手元にある:

【目次】
日本語版への序文 9
はじめに 12


第1章 地球の中心に 15

巨大なトネリコ、ユッグドラシル 16/ウプサラの王族からクレタ島のミノス王ヘ 28/ポセイドンすなわちトネリコの神 33/世界各地の宇宙樹 37/現実的夢想 44

第2章 神秘の梯子 50

シャーマンのカバノキ 55/聖ブリギットと聖燭祭 61/カバノキ、テングタケとソーマ 64/悟りの聖なるインドボダイジュ 74/逆さまの樹木アシュヴァッタ 87/セフィロトの樹 91

第3章 神託のオークの樹 95

ドドナの聖所 95/ナイオスのゼウスからクレタのゼウスへ 106/ギリシアとイタリアの聖なるオーク 114/ヨーロッパにおけるオーク崇拝 128/ドルイドヤドリギバルドル神 132

第4章 樹液の魔術 146

樹木のディオニュソス 152/儀式的縊死と豊饒 166/キヅタとディオニュソス的錯乱 172/ブドウの樹の神バッコス 180/ディオニュソスと樹液の秘儀 185

第5章 神樹の死と再生 194

聖なるマツの樹の祝祭 196/アッティスあるいは原初の供犠 201/イタリアカサマツ 210/マルシュアスと吊り下げられた神 213/アドニスあるいは没薬【ミルラ】 219/フェニックスとナツメヤシ 230/オシリスの樹木 236

第6章 聖なる森と樹木の魂 254

聖なる森 257/聖なる森の迫害者たち 264/ブロセリアンドの森で 269/マーリンと森の野人 276/樹木の魂 282/ダプネとゲッケイジュ 286/レウケとウラジロハコヤナギ 290/ピリュラとシナノキ 291/ピテュスとオニマツ 293/カリュアとクルミの樹 293/ピュリスとアーモンドの樹 297/キュパリソスとイトスギ 298/ピュラモスとティスベあるいはクワの樹 299/ピレモンとバウキス 301/異教の残存 307

第7章 妖精の森 316

大いなる牧神パンからサタンへ 316/呪われた狩人、聖フベルトゥスとハンノキの王 325/エルフ、小悪魔、コリガンたち 335/妖精たちについて 343/魔法の杖、魔女の箒とヘルメスの杖 348/処女林と幻想の現実 360

第8章 果実、神話と歴史 379

オリーブの樹とアテナイ創設 383/ローマの起源、マルスのイチジクの樹 395/ヘスペリデスのリンゴ 410

第9章 エデンの園から十字架の樹へ 422

堕罪から贖罪へ 432/エッサイの樹 443/アリマタヤのヨセフのサンザシ 444


結び 448
原注 [503-450]


訳者あとがき 504
索引 [527-510]