『作家の収支』

森博嗣

(2015年11月30日刊行,幻冬舎幻冬舎新書401],東京, 204 pp., ISBN:9784344984028版元ページ

【目次】

まえがき 3

森博嗣って誰?/作家って儲かるの?/自慢とは何か?/本書の内容は?

第1章:原稿料と印税 21

文章はいくらで売れるか?/文章量の単位は原稿用紙/原稿用紙1枚でいくら?/時給でいうといくら?/原稿料は何故一律なのか?/人気が出ると儲かる仕組み/「印税率」とは?/1冊も売れなくても印税はもらえる/「増刷」が嬉しい理由/単行本と文庫/単行本と文庫の印税率/『すべてがFになる』の売れ方/版形の違いによる売れ方の差/デビュー作に対する自己評価/増刷は不労所得?/初めてのハードカバー/各版の累計部数の比較/印税率の根拠は?/大半の本は赤字である/売行きに応じて印税率を変える?/ミリオンセラとは?/マイナであっても稼げる?/印税だけが収入ではない/いつの間にか殿堂入りしていた/自著以外の原稿料や印税/入試問題に使われた場合/ブログだけで年収1000万円/作家はどう営業するのか?/賞などに応募する道/広報活動よりも大事なのは?/「解説」を引き受けるといくら?/「推薦文」を書くといくら?/電子書籍ってどうなの?/電子書籍の印税率について/電子書籍の印税率は今後どうなる?/翻訳されたらいくらもらえる?/漫画化されたらいくらもらえる?/漫画を小説化したことが一度だけある/絵本の印税はどう分ける?/印税ゼロで本を出してみた/著作権は死んでも消えない/長く売れ続けるためには?/ブックデザインに力を入れる理由/作家という仕事の特質とは?

第2章:その他の雑収入 97

名前や顔を売る仕事?/講演会とサイン会/講演するといくらか?/トークショーというものもある/インタビューを受けたらいくら?/取材を受けたらいくら?/ラジオやTVに出たらいくら?/本当に引退したのですか?/ドラマ化したらどのくらい儲かる?/映像化されにくいものを書いている/最初にTVドラマになったのは?/連続ドラマの話が急に来た/連続ドラマの宣伝効果はどれくらい?/連続ドラマと単発ドラマの比較/アニメ映画の影響力はどれくらい?/売れない作品も捨てたものじゃない/「関連グッズ」というものもある/さらに映像化の影響として/小説はたった1人で作れる/オファだけならいろいろ来る/作家に宣伝価値はあるのか?/教育目的ならば自由に使える/試験問題の公開では作者の承諾が必要/教育関係の著作使用料は?/取材旅行は作家の特典なのか?/まだまだ特典がある?/贈呈本も馬鹿にならない

第3章:作家の支出 149

作家の支出って?/50%引きになるもの/大きいのは人件費だが/会社にしてしまう手もあるが/秘書とか手伝いとか雇うと?/アイデアを買う?/グループで創作する手もある/資料代と交際費/衣装は駄目だが自動車は経費/作家は不安定な職業である/ほとんどの支出は経費以外/ほかの作家はどうなの?/自分の好きなものを知っている

第4章:これからの出版 173

出版不況の本質は大量消費の崩壊/すべてがマイナ化する?/細かい利益を拾い集めるしかない/サブカルの台頭/新しい才能をどうやって拾うのか/まっとうな仕事になった小説家/ネットという滑り止めがある/ネットはアマチュアだけのものではない/作家のプロモートは誰がするのか?/作家は,これからどうなる?/反響の「数」を見ること/無料配信か,有料配信か?/創作は情報ではない/手近なゴールではなく遠くを見よう/スランプに陥らないためには?/小説家は幻想的職業

あとがき 199

少なくとも,浮き沈みのない作家だった/歳を取ってもできるみたいだ/今までよりももっと自由に