笹原宏之
(2017年4月20日刊行,中央公論新社[中公新書・2430],東京, x+226 pp., ISBN:9784121024305 → 版元ページ)
漢字という文化構築物の地理的変異と時代的変遷はまさに「言語系統地理学」の格好の事例.その意味で笹原宏之本からは目が離せない.笹原宏之『日本の漢字』<(2006年1月20日刊行,岩波書店[岩波新書(新赤版)991], ISBN:4004309913 → 書評),笹原宏之『国字の位相と展開』(2007年3月31日刊行, 三省堂, ISBN:9784385362632 → 書評|版元ページ).そして,数年前に出た:笹原宏之『方言漢字』(2013年2月25日刊行,角川学芸出版[角川選書・520],東京,253 pp., ISBN:9784047035201 → 書評|版元ページ)も,保全言語学ならぬ「保全漢字学」という観点からとてもおもしろい本だった.著者は,動植物の採集とまったく同じように,漢字(国字)の採集をしているみたい.