「誰がために本を書く?」

2017年12月22日(金)に開催された岡山大学農学部の第349回昆虫学土曜セミナーで,ワタクシは「分類学と系統学の世界観:多様性はどのように可視化されてきたか」なる講演をした.その質疑時間に,「ミナカさんが本を書かれるときは読者層に合わせてどのように書き分けられているんでしょうか?」というツボな質問があった.すかさず「ワタクシは自分のためにだけ本を書いているので読者のことを意識したことはまったくありません」という自説を展開した.「自分が読みたい内容の本を自分で書く」「自分があとでレファレンスとして利用できる本を自分で書く」—— 本の “かたち” がハードカバーであっても新書であっても,この方針はゆるがない.ワタクシの本を手にした読者のなかにときどき “被害者” がいることは承知しているが,あまり気にしていない.