『生命科学の実験デザイン[第4版]』書評

G・D・ラクストン,N・コルグレイヴ[麻生一枝・南條郁子訳]
(2019年6月15日刊行,名古屋大学出版会,名古屋, xii+304 pp., 本体価格3,600円, ISBN:9784815809508目次版元ページ

さすがは生態学センスのある著者なので,他書では見ない “偽反復(pseudoreplication)” に関する章も立てられていて超すばらしい.統計データ解析に先行する「実験計画法」の原理と実践を知るには現時点でイチオシ本ではないかと思う.ここ20〜30年ほど実験計画法のちゃんとした成書がなかったので,その “空きニッチ” をきっちり埋めてくれた感がある.さすがは名古屋大学出版会.個人的には,「完全ランダム化デザイン」よりは「完全無作為化法」,「ランダム化ブロックデザイン」ではなく「乱塊法」,「分割プロットデザイン」は「分割区法」と最節約的に略記してほしいが,それらは訳語の好みにすぎないかもしれない.そもそも,「experimental design」を「実験計画法」ではなく「実験デザイン」と訳したり,「randomize」を「無作為化」ではなく「ランダム化」と訳すのは最近の傾向なのだろうか.あと,要因間の「interaction」は「相互作用」ではなく「交互作用」と訳してほしいな.