『系図:語りとオーケストラのための —— 若い人たちのための音楽詩』

武満徹
(2006年2月6日刊行,ショット・ミュージック[SJ 1158],東京, ISBN:9784890664580 | ISMN:M-65001-212-6 → 版元ページ

武満徹の〈系図〉の総譜が日本ショットから10年以上も前に出版されていたことを見逃していた.まったくうっかりしていた.さっそく発注したところ.本日いかにもショットらしい真っ黄色の大判の総譜が届いた.この〈系図〉は,20年前に出版したワタクシにとっての初単著『生物系統学』(1997)の “テーマ・ミュージック” である.当時入手できた唯一のCDは小澤征爾指揮によるサイトウ・キネン・オーケストラ(1995)で,日本語の語りは当時まだ10台なかばの遠野凪子だった.その後も小澤征良(英語版)や吉行和子(日本語版)の〈系図〉を聴いたが,ワタクシ的には遠野凪子を超えるものではなかった.しかし,これまた見落としていたが,一年前の2018年5月にアンドレア・バッティストーニ指揮の東京フィルハーモニー交響楽団がのん[能年玲奈]を語り手として〈系図〉を新録音していたので即座に注文.YouTubeの動画「【BEYOND THE STANDARD vol.2】バッティストーニ&東京フィル/のん(語り)「武満徹:系図」」が公開されている.この語りはとてもいいかもしれない.