藤田節子
(2019年10月28日刊行,地人書館,東京, 171 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-8052-0932-5 → 版元ページ)
本の「索引づくり」に特化した日本語の参考書は本書しかないらしい.一昨年,この本が出版されることを知ってアマゾンの “お買い物かご” に放り込んだまますっかり忘れていた.ちょうど『読む・打つ・書く』の再校ゲラで索引項目ピックアップ作業の真っ最中で,ふと「そういえばアノ本があったなあ」と思い出して発注したら大当り.いままさに読むべき本であることが判明.
今まで自著の索引づくりは何冊もしてきたが,あらためて再考すべき点が多々あることがわかった.編集担当・校正担当・事実確認担当と同等の独立した専門職として「索引作成担当(インデクサー)」があるとの指摘は重要.ということは,索引づくりにはそれ相応の専門的な知識と豊富な経験が必要で,しろうとのマネごとではダメっぽい(orz).
本書が届く前に,同じ著者による論考:藤田節子 2018. 図書の索引作成の現状 -編集者と著者への調査結果から-.情報の科学と技術, 68(3): 135-140. 書誌情報|pdf [open access] を読んでみた.冒頭にこんなことが書かれている:
「図書の索引は,図書の中のある一定の情報内容を持った部分を,付随的な部分と区別し,それに対する適切な見出し語と所在を示し,その情報内容に迅速にアクセスするシステムである。したがって,単に図書の文中の重要な語を配列し,その位置を示すリストではない.」(p. 135)
索引づくりはただの単語抽出ではない! さて,どうするか…….いきなり “索引づくり修行” が始まる気配だが,その時間はない(はず).とりあえず,『本の索引の作り方』の「索引」(pp. 161-171)とメイキング事例(pp. 122-126)をじっくり眺めているところ.
—— 視界の隅では真っ赤な The Chicago Manual of Style, 15th Edition がごそごそ蠢動している.お前も登場する気満々か.