『虫たちの日本中世史:『梁塵秘抄』からの風景』目次

植木朝子
(2021年3月1日刊行,ミネルヴァ書房[叢書〈知を究める〉・19],京都, vi+327+11 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-623-09058-7版元ページ


【目次】

序 虫に対する嫌悪と愛着 1

第1章 中世芸能に舞う虫──蟷螂・蝸牛 5

 1 蟷螂の故事と芸能 5
 2 蟷螂のおかしみとあわれさ 10
 3 舞え舞え蝸牛 18
 4 寂蓮と蝸牛の今様 26

第2章 中世の信仰と刺す虫──蜂・虱・百足・蚊 37

 1 藤原宗輔の蜂飼と堀河天皇の虫撰び 37
 2 蜂の智恵と聖性 46
 3 虱の遊びと発心 52
 4 俵藤太の百足退治 58
 5 毘沙門天と百足 65
 6 蚊のまつ毛 73
 7 蚊との闘い 79

第3章 中国文芸と鳴く虫・跳ねる虫──機織虫・蟋蟀・稲子麿 89

 1 機織虫の織る衣 89
 2 四天王寺西門信仰と機織虫 96
 3 機織虫を愛した人々 103
 4 蟋蟀は鉦鼓の名人 108
 5 古き筆、蟋蟀となる 115
 6 闘う蟋蟀 123
 7 稲子麿は拍子つく 130
 8 嫉妬しない稲子麿 137

第4章 王朝物語から軍記物語へ飛び交う虫──蝶・蛍 145

 1 はかない蝶・豪華な蝶 145
 2 瑞兆としての蝶・凶兆としての蝶 155
 3 神秘の蝶の二面性 159
 4 恋する人の魂と蛍 165
 5 武将の亡魂と蛍 172
 6 腐草、蛍となる 179

第5章 中世の子ども・武将・芸能者たちと遊ぶ虫──蜻蛉 187

 1 蜻蛉の呼び名 187
 2 鼻毛で蜻蛉を釣る 194
 3 蜻蛉釣りと蜻蛉の玩具 201
 4 目を回す蜻蛉・くしゃみする蜻蛉 209
 5 蜻蛉と武将たち 216
 6 蜻蛉返りする人々 224
 7 芸能と蜻蛉返り 230

第6章 中世の意匠と巣を編む虫──蜘蛛 237

 1 吉兆の蜘蛛 237
 2 蜘蛛の知恵 244
 3 蜘蛛のもたらした道具 251
 4 蜘蛛と遊ぶ 256
 5 蜘蛛の芸能 263
 6 蜘蛛の怪物 272
 7 蜘蛛の巣の美 279
 8 蜘蛛の巣文様 286

第7章 中世人が聞いた秋に鳴く虫──松虫・鈴虫・轡虫 295

 1 秋の夕べに鳴く虫尽くし 295
 2 鳴かない虫を聞く 304

終 豊かなミクロコスモス 319

あとがき 325
作品名索引 [7-11]
事項索引 [5-6]
人名索引 [1-4]