「ネット中傷やデマ対策の“盲点”」について

ハフポスト日本版「ネット中傷やデマ対策の“盲点”、Amazonレビューが温床に。識者から「透明化」求める声——著者への悪質なレビュー投稿は、精神的な苦痛を与えるだけではない。」(2021年8月21日)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_610b9b9be4b0cc1278b7db40

要するに,著者自らが「書評頻度分布」を推定すればいいでしょう.『読む・打つ・書く』第2楽章の書評論ではその具体的手順を書きました.ある本に対する書評・感想を,実名・匿名を問わずサンプリングして,書評頻度分布を構築すれば,たとえ “罵倒系” のコメントに遭遇しても心安らかでいられます.その上で,罵倒系書評者は “客観的” に排除すればいいですね.

「それは他人の意見にいっさい耳を貸さないという偏狭な態度ではけっしてなく,むしろ信頼できる書評分布のデータベースを踏まえた合理的な意思決定だと私自身は考えている.書評者が好き放題に書き散らせるパラダイスはこの世のどこにもない.月夜の晩ばかりではない」(第2楽章, p. 201).

書評者が公表する文言は,著者や読者の批判の目にさらされ,場合によっては徹底的に叩かれるかもしれない.叩いたつもりが逆に叩かれることになる.それを覚悟しなければ書評を「打つ」ことはできない.書評が “戦場” になる実例はワタクシの『読む・打つ・書く』にいくつも挙げました.