『イメージの記憶:危機のしるし』目次

田中純
(2022年4月28日刊行,東京大学出版会,東京, vi+314+xxxiii pp., 本体価格4,300円, ISBN:978-4-13-010152-3版元ページ


【目次】
序 1

I 行為する像【イメージ】

 第1章 創像された怪物の解剖学──像行為論の射程 4
 第2章 握斧【ハンドアックス】の像行為──起源/根源のメイキング 13
 第3章 不死のテクノロジーとしての芸術──生政治のインスタレーション 22
 第4章 物質論的人文知(ヒューマニティーズ)としての考古学──同時代への退行的発掘 31
 第5章 死者の像の宛先──スーザン・ソンタグの亡骸 47

II 『ムネモシュネ・アトラス』を継ぐ

 第1章 モンタージュ/パラタクシス──パラダイム転換のために 58
 第2章 フィールドノートという自伝──霊たちのためのドローイング 88
 第3章 見えない瓦礫を投げる──蜂起の身振り 97
 第4章 歴史のゴースト・プラン──宇佐美圭司の絵画論をめぐって 105
 第5章 心理歴史的地図からイメージ記憶の散歩へ──『ムネモシュネ・アトラス』再考 115
 第6章 夜の共同体へ──パスカルキニャールに 124

III ホロコースト表象の現在

 第1章 ホロコースト表象の転換点──『サウルの息子』の触感的【ハプティック】経験 136
 第2章 それ(エス)の地下室(クリプト)──ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》 155
 第3章 生と死のシンメトリー──セルゲイ・ロズニツァ『アウステルリッツ』 164

IV 建築的想像力の神話学

 第1章 巨人と小人の無垢──ベンヤミンと冥府の建築家たち 170
 第2章 魔術的洞窟──キースラーのシャーマニズム 179
 第3章 死の女神としての家──「三匹の子ブタ」異聞 186
 第4章 白い錯乱──ル・コルビュジエの「最初の絵画」 194
 第5章 デミウルゴスの_かたり_【傍点】──磯崎新土星【サトゥルヌス】的仮面劇 203

V 危機のしるし

 第1章 『シン・ゴジラ』の怪物的しるし──未来からの映画 222
 第2章 トランプ/ネロ/ペルセウス──斬首された自由 234
 第3章 ウンブラル──パンデミック下の「歴史の閾」 243
 第4章 生の弱さの底に降りて行く──カミュ『ペスト』に寄せて 252
 第5章 イコノクラスムの彼方へ──像なき時代を創像する 262
 第6章 無の色気──デヴィッド・ボウイから世阿弥へ 272
 結論 「かげ」なる像の「うつろひ」へ向けて 281

 

跋 305
初出一覧 311
書誌 [xxi-xxxiii]
事項索引 [viii-xix]
人名索引 [i-vii]