デヴィッド・グレーバー [酒井隆史訳]
(2025年4月23日刊行, 岩波書店、東京, xxxiv+179+17 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-00-061685-0 → 目次|版元ページ)
https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2025/05/24/130151
書評原稿が仕上がったので編集部にメール送信完了。私の書棚には、岩波書店から1992年〜2003年にかけて刊行された『17・18世紀大旅行記叢書』(第 I 期・第 II 期)全21巻がずらりと並んでいる。この叢書の第一巻『最新世界周航記』を書いた17世紀のウィリアム・ダンピアは、私掠船(海賊船)に乗って世界の海を股にかけて暴れまわった “海賊(バッカニア)” である。海賊はテレビや映画にしか登場しないキャラクターではなく、生身の人間として世界史にくっきり足跡を残したことを私はあらためて知った。そういえば、あの時代は、本書の舞台であるマダガスカルのすぐ隣のモーリシャス島やレユニオン島に、その後は絶滅してしまったドードーがまだ生息していた。ドードーと海賊の姿が重なる錯覚を覚えた。
上記書評は時事通信社から新聞各社に配信されることになっている。