『びいどろ障子』——「へへののもへし」のこと

びいどろ障子
森銑三
(1988年8月20日刊行、小澤書店、東京, 288 pp., 本体価格2,500円, ISBNなし)

本書には「ヘマムショ入道」(pp. 160-161)という一文がある。江戸時代からあるこの絵文字に関連して、こう書かれている:

「ヘマムショ入道は不思議に古い文獻が幾つも知られているが、「へへののもへし」の方には何があるだらうか。私等の小學校時代は、まだ眞黒な草紙を習つてゐたので「へへののもへし」は書きもしたが、ヘマムショ入道などは誰も知つてゐなかった。どうでもいいことだけれども、近頃「へのへのもへし」といふ人のあるのは快からぬ。何かの新聞に「へのへの茂平」といふ小説を連載してゐる人があつたが、「へのへのもへし」は面白くない」(pp. 160-161)

あの絵文字が「へのへのもへじ」ではなく元は「へへののもへじ」と読むとは知らなかった。どうでもいいことだけれども、こういう言葉や言い回しの由来について書かれているのは本書の楽しいところ。