『びいどろ障子』——「遺傳學」のこと

びいどろ障子
森銑三
(1988年8月20日刊行、小澤書店、東京, 288 pp., 本体価格2,500円, ISBNなし)

読了。「遺傳學」(p. 250)には古川綠波が登場する:

「先年あつけなく死んでしまった古川綠波は、名門の出で、謹直そのもののやうな學者だった加藤弘之男の外孫になる。その加藤さんを直接識つてゐた或醫者が、綠波のふはついたやうな芝居か何かを見て、おれにはもう遺傳學など信ぜられなくなつたよ、加藤先生の孫が綠波だといふからね、といつたさうだ」(p. 250)

森銑三がこういう軽い筆致の随筆を書く作家だとは知らなかった。ほかにもいろいろな伝聞や噂話がてんこ盛りで、いつか機会があったら再読してもいいかも。