『洞窟の偶像』

澁澤龍彦

(1977年9月30日刊行,青土社,東京,311 pp.)

小田急・経堂駅前のガード下でたまたま店開きしていた青空古本屋で購入した.澁澤龍彦の書物エッセイ集.あとがきによると,本書の書名は,フランシス・ベーコンの代表作『ノヴム・オルガヌム』の「アフォリズム・第1巻」に登場する「洞窟のイドラ(idola specus)」(39, 42)から取られているという.ある意味で偏愛ないしオブセッションの人だった著者ならではのタイトルの付け方だろう.