2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧
この1年読んだ本の総括として.締切がちょい過ぎてしまったが,毎年依頼されている『月刊みすず』(みすず書房)の書評原稿の5冊を考えている.今年は次の5冊をとりあげることにした.広義の「絵」が共通テーマ. 『World Diagram Collection 世界のダイアグ…
金子之史 (2007年12月15日刊行,東京大学出版会[ナチュラル・ヒストリー・シリーズ], ISBN:4130601881) 信州で格闘している間につくばに届いていた新刊.著者の個人史でもある第1章「ネズミ研究への出発」がなかなか魅力的.第5章「生物地理学からの視…
三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行,講談社[現代新書1849],ISBN:4061498495→詳細目次|第2刷での修正点|反響録) 年の瀬の信州大学巡業(30時間)を虫の息で終えて,やっとつくばに帰還した.もう死む死む.で,今年最後の拾い…
ロバート・N・プロクター(宮崎尊訳) (2003年9月8日刊行,草思社,ISBN:4794212267) JR松本駅ビル内の改造社書店でたまたま見つける.きっと載っているにちがいないと推測した通り,Karl Astel の経歴について詳しく書かれていた(初めて肖像写真も見るこ…
Anne Harrington (1996年刊行,Princeton Univeristy Press,ISBN:0691021422 [hbk] / ISBN:0691050508 [pbk]) 【目次】 List of Illustrations ix Acknowledgments xi Introduction xvChapter 1 The "Human Machine" and the Call to "Wholeness" 3The Or…
Heinz Brücher (1936年刊行,J. F. Lehmann, München,1 plate + ii + 188 pp.[Anfang: 1 Text und 1 Bildertafel]→目次) この本の背景についてさらに —— この本に巻頭言を寄せたチューリンゲン人種制度局長 Karl Astel は実は「かなり中核的な人物」で…
三輪一記・石黒謙吾 (2006年12月29日刊行,アートン,ISBN:4861930529)
リジー・コリンガム (2006年12月30日刊行,河出書房新社,ISBN:4309224571)
サイモン・ウィンチェスター (柴田裕之訳,2006年12月15日刊行,早川書房,ISBN:4152087854) ウィンチェスターといえば,前著『クラカトアの大噴火:世界の歴史を動かした火山』や『世界を変えた地図:ウィリアム・スミスと地質学の誕生』のような,著者が…
Jody Hey, Walter M. Fitch, and Francisco J. Ayala (eds.) (2005年,The National Academies Press,ISBN:0309095360 [hbk]) →版元ページ. 【目次】 Front Matter i-xiv 1 Introductory Essay: Systematics and the Future of Biology — EDWARD O. WILS…
Joseph Felsenstein (2004年刊行[実際には2003年夏に出た],Sinauer Associates,Sunderland, xx+664 pp., ISBN:0878931775 [pbk]) 前に紹介したものの,目次は概略だけだったので,あらためて詳細目次をば. 【目次】 Preface xix1. Parsimony methods …
Ziheng Yang (2006年12月刊行,Oxford University Press[Oxford Series in Ecology and Evolution], ISBN:0198566999 [hbk] / ISBN:0198567022 [pbk]) 【目次】 PrefacePart I: Modeling Molecular Evolution 1CHAPTER 1 Models of Nucleotide Substitu…
瀬名秀明・橋本敬・梅田聡 (2006年12月15日刊行,岩波書店[フォーラム 共通知をひらく], ISBN:4000263447→関連情報) 【目次】序章 〈境界知〉を見出すまで (瀬名秀明) 1どうしてそんな気分になったのか,ちっとも理由はわからない/違和感を見出す能…
Heinz Brücher (1936年刊行,J. F. Lehmann, München,ISBNなし→目次) 周縁的な事柄がなかなか興味深い.まず,この本はイェナにあった「家系研究ならびに人種政策研究所(Institut für menschliche Erbforschung und Rassenpolitik)」なる機関の出版物と…
Desmond King-Halle (ed.) (2007年刊行,Cambridge University Press,ISBN:0521821568 [hbk]) エラスマス・ダーウィンの伝記作家でもあるキング-ハレによる書簡集の出版.700ページもあってずっしりと重い.価格も丸善価格で25,000円ほどもして苦しい.
Kanti V. Mardia (1972年刊行,Academic Press[Probability and Mathematical Statistics], ISBN:0124711502) 方向統計学(directional statistics)の古典.2000年に改訂版:Kanti V. Mardia & Peter E. Jupp『Directional Statistics』(2000年1月刊…
イギリスの Leeds 大学で毎年開催されている統計学ワークショップ.今年(2006年)はその25回目だという.プロシーディングズはpdfでオンライン公開されている(→サイト).主宰者である Kanti V. Mardia 教授の関心分野を反映して,数理統計学のの中でも,…
瀬名秀明・橋本敬・梅田聡 (2006年12月15日刊行,岩波書店[フォーラム 共通知をひらく], ISBN:4000263447) まだ現物は手にしていない.すでに,岩波書店のページからは,「編集部メッセージ/著者紹介/詳細目次」へのリンクが張られている.また,著者…
David N. Stamos (2007年刊行,State University of New York Press[SUNY Series in Philosophy and Biology],ISBN:0791469379 [hbk] / ISBN:0791469387 [pbk]) 【目次】 Preface ix Acknowledgments xix 1. A History of Nominalist Interpretations 1…
Peter Lipton (2004年刊行,Routledge[International Library of Philosophy], London, ISBN:0415242029 [hbk] / ISBN:0415242037 [pbk]) 【目次】 Preface to the second edition ix Preface to the first edition xiIntroduction 11. Induction 5 Und…
そろそろ「2007年」の刊行年が記された新刊が届くようになってきた.それとともに,従来の〈ISBN-10〉の10桁番号との併記のかたちで,新しい〈ISBN-13〉の13桁番号を記すというスタイルが定着しつつある.規約上は「2007年1月1日以降」は〈ISBN-13〉が標準に…
澁澤龍彦 (2006年12月20日刊行,学習研究社,ISBN:4054032338) 待ってましたのシブサワ書評集.
筒井功 (2006年10月20日刊行,文藝春秋[文春新書533], ISBN:416660533X) “サンカ”の研究者として有名な三角寛を“ミナオシ”の研究者である著者が糾弾する本.少し前に出た同じ著者の前著『漂白の民サンカを追って』(2005年7月刊行,現代書館,ISBN:4768…
Samir Okasha (2006年12月近刊,Oxford University Press,ISBN:0199267979 [hbk]) 自然淘汰の単位をめぐる生物学哲学の論議.1990年代前半まではこのテーマで何冊も本や論文集が出ていたが,新刊では珍しい気がする.総括的な展望が述べられているのだろ…
R. B. Freeman(ed.) (1984年復刻刊行,非売品) チャールズ・ダーウィン家のこの家系図は,もともと系図学者 H. Farnahm Burke によって作成され,1888年に“Privately printed”としてたった60部だけ刷られたものだ.ダーウィンの書誌学者として著名な Fre…
Heinz Brücher (1936年刊行,J. F. Lehmann, München) 【目次】 Geleitwort von Präsident Prof. Dr. Karl Astel 3 Vorwort 7I. Einleitung : Zum Versuch einer Kulturbiologischen Monographie 9II. Ernst Haeckels Persönlichkeit und Sippe 15 1. Entw…
Heinz Brücher (1936年刊行,J. F. Lehmann, München) エルンスト・ヘッケルとその姻戚の家系を網羅的にたどった単行本.おお,これはみごとなフラクトゥール書体ですこと.何よりもこういう本が書かれた背景がとてもおもしろい.もちろん本人はとうに亡く…
Ziheng Yang (2006年12月刊行,Oxford University Press[Oxford Series in Ecology and Evolution], ISBN:0198566999[hbk] / ISBN:0198567022 [pbk]) 最尤法とベイズ法に基づく系統推定の教科書(“最終兵器”ですか?).Joe Felsenstein『Inferring Phy…
Peter D. Ward (2006年10月30日刊行,The National Academies Press, ISBN:0309100615[hbk]) 【書評】※Copyright 2006 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 本書『Out of Thin Air』は,過去数十億年に及ぶ地球上の「酸素濃度」の変遷が,生物進化の…
Peter D. Ward (2006年10月30日刊行,The National Academies Press, ISBN:0309100615[hbk]) 各章の要旨(後半)第6章では,地球史上空前の高酸素状態となった石炭紀〜ペルム紀において,さまざまな「巨大生物」が出現した進化的理由を明らかにする.この…