2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『自然の占有:ミュージアム,蒐集,そして初期近代イタリアの科学文化』

ポーラ・フィンドレン (2005年11月15日刊行,ありな書房,ISBN:4756605885) 博物館史および博物学史の新刊で,800ページ近くもあるレンガのように重い本だ.原書は10年以上前のものだが,David Freedbergの『The Eye of the Lynx : Galileo, His Friends, …

『欧文書体百花事典』

組版工学研究会(編) (2003年7月7日刊行,郎文堂,東京,本体価格12,000円,xviii+546 pp., ISBN:4947613556) 【目次】 欧文活字書体を学ぶために(片塩二朗) ix 欧文活字書体の基本構成と名称 xvi欧文活字書体の分類(河野三男) 1TRAJAN ROMAN(木村雅…

『月の輪書林それから』

高橋徹 (2005年10月10日刊行,晶文社,ISBN:4794966857) 前半:第I部「二〇〇二年李奉昌と出会う」(pp. 9-187)を読了.前著である高橋徹『古本屋 月の輪書林』(1998年6月30日刊行,晶文社,ISBN:4794963599)と同じく,『蒐書日誌』風のスタイルで綴ら…

『完訳・ファーブル昆虫記・第1巻上』

ジャン=アンリ・ファーブル (奥本大三郎訳:2005年11月24日刊行,集英社,ISBN:4081310017) 集英社創業80周年記念企画.第1回配本は,スカラベ・アナバチ・ツチスガリを含む第1巻の上巻(11月24日刊行).12月20日に同下巻が刊行される.それ以降は,隔月…

『和本入門:千年生きる書物の世界』

橋口侯之介 (2005年10月19日刊行, 平凡社, ISBN:458283292X) 誠心堂書店店主の和本の本.第1章「和本とは何か:その歴史と様式を知る〈初級編〉」を読む.江戸時代は書物(和本)が大量に流通した本読みの時代だったそうだ.(そういえば,中野三敏編の…

『ウィトゲンシュタイン 哲学宗教日記 1930-1932 / 1936-1937』

ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタイン(イルゼ・ゾマヴィラ編/鬼界彰夫訳) (2005年11月15日刊行,講談社,ISBN:4062129574) 1993年に新たに発見されたウィトゲンシュタインの「日記」だという.まだ撫でているだけの段階ですが,この組版とこの装幀そし…

『ジプシー・ミュージックの真実』

関口義人 (2005年10月1日刊行,青土社,ISBN:479176210X) 【感想(まとめて)】10年ほど前にブダペストで聴いたジプシー・バンドのツィンバロンの見事な演奏もさることながら,バイオリンの独特の奏法を今でも覚えている.この本,とてもおもしろそうです…

『讀書散策』

富士川英郎 (2003年3月30日刊行,研文出版,ISBN:4876362173) 『讀書〜』シリーズの最後にあたる本書は,著者の死の直後に出版された.今の時代には考えられないような,とても立派な装幀だ.限定500部とのことだが,まだ書店経由で購入できる.

『ハンガリー・アヴァンギャルド:MAとモホイ=ナジ』

井口壽乃 (2000年12月5日刊行,彩流社,ISBN:4882026848) うーむ,井口壽乃・圀府寺司(編)『アヴァンギャルド宣言:中東欧のモダニズム』(2005年9月5日刊行,三元社,ISBN:4883031616)を読み切る前に,こちらを先行させるべきだったかな.

『詩人たち ユリイカ抄』

伊達得夫 (2005年11月10日刊行, 平凡社[平凡社ライブラリー558],東京, ISBN:4582765580 → 版元ページ) ささっと読了.前に,田中栞さんのパンフレット『書肆ユリイカの本』(2004年11月15日刊行,紅梅堂,ISBNなし)を視て以来,敗戦後に立ち上がった…

『世界温泉文化史』

ウラディミール・クリチェク[種村季弘・高木万里子訳] (1994年12月10日刊行,国文社,ISBN:4772003711) 種村季弘が翻訳しているが,数ある種村本の中でももっとも高価な本だろうと思う.まずは50ページほど読み進む.古代エジプトからはじまり,ギリシャ…

『中尾佐助著作集・第V巻:分類の発想』

中尾佐助 (2005年12月25日刊行,北海道大学出版会[旧:北海道大学図書刊行会],ISBN:4832928910) 昨年末から順次刊行されている〈中尾佐助著作集〉(全6巻)の第5回配本.1990年に朝日新聞社から出版された『分類の発想』の復刻,および,その祖型にあた…

『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』

ジャレド・ダイアモンド (2000年10月2日刊行,草思社,ISBN:4794210051 [上] / ISBN:479421006X [下]) 【書評】※Copyright 2000 by MINAKA Nobuhiro. All rights reservedなぜ「差異」が生まれたのか?1998年に本書("Guns, Germs and Steel")でコスモス…

『文明崩壊(上・下)』

ジャレド・ダイアモンド (2005年12月下旬刊行予定,草思社,ISBN:4794214642 [上] / ISBN:4794214650 [下]) 今年はじめに出た原書が一年も経たないうちに早くも翻訳出版される.原書は,Jared Diamond『Collapse: How Societies Choose to Fail or Succeed…

『Logic and the Art of Memory : The Quest for a Universal Language』

Paolo Rossi (2006年1月刊行予定,Continum Pub., ISBN:0826488617) ん,これって新刊?(それともリプリント?) と思って調べてみたら,どーやら1960年イタリア語初版のリプリントみたい.日本語訳あり:パオロ・ロッシ『普遍の鍵』(1984年刊行,国書…

『Extending Linear Model with R』

Julian J. Faraway (2005年刊行,Chapman & Hall / CRC,ISBN:158488424X) どんどん出る〈R〉本.

『Evolutionary Genetics: Concepts and Case Studies』

Charles W. Fox and J. B. Wolf (eds.) (2006年3月刊行予定,Oxford University Press, ISBN:0195168178 [hardcover] / ISBN:0195168186 [paperback])

『The Selfish Gene, 3rd Edition』

Richard Dawkins (2006年3月刊行予定,Oxford University Press, ISBN:0199291144) いったいどの程度アップデートされるのだろう?

『自然の占有:ミュージアム,蒐集,そして近代イタリアの科学文化』

ポーラ・フィンドレン (2005年11月刊行,ありな書房,ISBN:4756605885) 今年はじめから近刊予告が出ていたが,やっと出版されたようだ.生物分類学史の本としても[きっと]読めるにちがいない.大著だが[だから],関心がある.

『The Correspondence of Charles Darwin, Volume 15: 1867』

F. Burckhardt (ed.) (2005年12月刊行予定,Cambridge University Press, ISBN:052185931X) ダーウィン関連のレファレンスとして必須.

『計算統計 II —— マルコフ連鎖モンテカルロ法とその周辺』

伊庭幸人他 (2005年10月28日刊行,岩波書店,ISBN:4000068520) →目次 第1章:伊庭幸人「マルコフ連鎖モンテカルロ法の基礎」をゆるりゆるりと読み進む.明らかに(というか当然のことながら),伊庭幸人『ベイズ統計と統計物理』(2003年8月27日刊行,岩波…

『眼の冒険:デザインの道具箱』

松田行正 (2005年4月30日刊行,紀伊国屋書店,ISBN:4314009829) 朝日の新聞書評で見て以来,ずっと気になっていたのだが,現物に遭遇する機会がなかった.先日,東京堂書店でたまたま見かけたのが幸いだった.デザイナー的な図像学エッセイ.モホイ=ナジと…

『Abductive Reasoning』

Douglas Walton (2004年刊行,The University of Alabama Press, Tuscaloosa, xvi+303 pp., ISBN:0817314415 → 版元ページ) 論証様式としての「アブダクション」の詳細な議論.人工知能(AI)研究が「アブダクション」の理解を大きく進めたとはまったく知…

『エーゲ:永遠回帰の海』

立花隆(文)・須田慎太郎(写真) (2005年11月1日刊行,書籍情報社,ISBN:4915999157) いわゆる“立花隆の本”だったらきっと買わなかっただろう.しかし,書肆アクセスでブツを見たら,実は“須田慎太郎の本”であることがわかったので購入.330ページもある…

『ベイズ統計と統計物理』

伊庭幸人 (2003年8月27日刊行,岩波書店,ISBN:4000111582) ちょうど100ページある小冊子なので,さくっと読了.叢書〈岩波講座・物理の世界〉の中の〈物理と情報3〉にあたる本.これはとてもおもしろい本です.まだ読んでいない人はすぐに書店に走るべし…

『生物にみられるパターンとその起源』

三村昌泰(監修)/松下貢(編) (2005年11月刊行,東京大学出版会,ISBN:4130640925) 叢書〈非線形・非平衡現象の数理[全4巻]〉の第2巻. 【目次】 はじめに(松下 貢) 第1章 バクテリアコロニーの多様性(松下 貢・三村昌泰) 第2章 蝶の翅のパターン…

『民族昆虫学:昆虫食の自然誌』

野中健一著 (2005年11月刊行,東京大学出版会,ISBN:4130601857) 【目次】 はじめに−−「民族昆虫学」が目指すもの 第1章 民族昆虫学の視点と方法 第2章 アフリカ――民族の生活と昆虫 第3章 東南アジア――多様性を利用する 第4章 日本――地域の生活との結びつ…

『ニューヨークの書店ガイド:アメリカの書店事情最前線』

大久保徹也(編)・前田直子(著) (2005年9月1日刊行,出版メディアパル,ISBN:4902251078) 神保町の書肆アクセスにて入手した.マンハッタンの書店ガイドの最新版がどこかから出ないかと待ち望んでいたのだが,まさか日本語の新しいガイドを手にすること…

『追悼雑誌あれこれ』

大屋幸世 (2005年9月刊行,日本古書通信社,ISBN:4889140239) ここのところ『蒐書日誌』の続刊が出ていないなと思ったら,こんな「脇道」に逸れていたとは(いや,著者にとってはこれがむしろ「本道」か).すずらん通りの書肆アクセスにて立ち読み.この…

『月の輪書林それから』

高橋徹 (1998年10月10日刊行,晶文社,ISBN:4794966857) 第I部「2002年 李奉昌と出会う」(pp. 9-187)/ 第II部「2005年 三田平凡寺を歩く」(pp. 189-311)の2部構成.前著に比べてさらにうまく細かく日録とエッセイが混ぜ合わされているようだ.毎号著…