2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ソビエト大百科事典(Большая советская энциклопедия)』

→オンライン・サイト 調べものをしていてたまたま遭遇したサイト〈Полнотекстовая библиотека〉の中に,『БСЭ』こと『ソビエト大百科事典』が全文読めるサイトが入っていた:〈Большая советская энциклопедия〉.『БСЭ』の最も新しい第3版のサイトは別にあ…

『戦国時代のハラノムシ:『針聞書』のゆかいな病魔たち』

長野仁・東昇(編) (2007年4月30日刊行, 国書刊行会, ISBN:9784336048462) 戦国時代に著された鍼灸術の教科書『針聞書』に彩色図として描かれた63の“病魔たち”をカラー復刻した解説書だ.フルカラーで1,000円とはとても安い.にょろにょろした蛇のよう…

『聴き歩きフィールドガイド・奄美』

鳥飼久裕(解説)・上田秀雄(音声) (2007年5月30日刊行, 文一総合出版, ISBN:9784829901274) 「サウンドリーダー」(旧スキャントーク)を用いて鳥のさえずりや蛙の鳴き声が聴ける.さらに,QRコードを使って,携帯電話でも聴ける!というのがウリかな…

『Die Beherrschung der Mannigfaltigkeit : Philosophische Grundlagen der Taxonomie』

Rolf Löther (1972年刊行, VEB Gustav Fischer Verlag, Jena, 285 pp., ISBNなし) ぼくが大学院にいた頃,この本をずいぶん探したのだが,国内の大学・研究機関にはまったく所蔵されていなかった.たまたま,故・太田邦昌さんに仲介で,東京経済大学の広…

『Wissenschaftstheoretische Untersuchungen zur Grundlagenploblematik der Phylogenetik』

Gerhard Fels (1957年刊行, Rheinische Friedrich Wilhelms-Universität Bonn, ISBNなし) 本書は,生物系統学の哲学的基盤をめぐる論考で,ボン大学哲学部に提出された博士学位申請論文である.たまたま運よくドイツの古書店から入手できた1冊は,ボン大…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(52)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行,講談社[現代新書1849],ISBN:4061498495→詳細目次|反響録) 真夏日の週末に.今回はすべてミクシィつながりということで−−ノリ丸さんの日記[mixi|言及]http://mixi.jp/view_diary.pl?id=43…

『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』

ウェンディ・ムーア(矢野真千子訳) (2007年4月30日刊行, 河出書房新社, ISBN:9784309204765 → 目次) 第6章まで.読み進むにつれ,主人公ジョン・ハンターが「元祖・解剖男」のように見えてきた.夜陰に乗じて人間の屍体を館に運び込んでは腑分けをする…

『文字の母たち』

港千尋 (2007年3月23日刊行, インスクリプト, ISBN:9784900997165) いわゆるひとつの「ビニ本」か?某ジャンルの写真集と同じ扱いを受けているのか,どこの書店の店頭でもしっかり“ビニール”が巻かれている本.しかし,題材はけっして艶かしい写真集では…

『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』

ウェンディ・ムーア(矢野真千子訳) (2007年4月30日刊行, 河出書房新社, ISBN:9784309204765) 日経サイエンス誌から書評依頼あり.ちょうど買おうと思っていたところだったので,渡りに舟だ.ジョン・ハンター(John Hunter)自身についてはほとんど知…

『The Science of Describing : Natural History in Renaissance Europe』

Brian W. Ogilvie (2006年6月1日刊行, The University of Chicago Press, ISBN:0226620875) →著者サイト|版元ページ. 【目次】 List of Figures Preface and Acknowledgments Conventions 1. Introduction 2. The World of Renaissance Natural Histor…

『批判的合理主義・第1巻:基本的諸問題』

日本ポパー哲学研究会(編) (2001年8月30日刊行, 未來社, ISBN:4624011562) 【目次】 刊行にあたって 1 第1部 批判的合理主義の可能性1 実証ではなく,反証を――非正当化主義の概要――……小河原 誠 12 1.実証(正当化)は可能か 2.論証の意義 3.帰…

『批判的合理主義・第2巻:応用的諸問題』

日本ポパー哲学研究会(編) (2002年8月30日刊行, 未來社, ISBN:4624011619) 【目次】 刊行にあたって 1 第1部 自然の認識にかかわる諸問題1 「観測問題」とポパー量子論……篠崎 研二 10 1.はじめに 2.量子論の泥沼 3.傾向性解釈と多重宇宙解釈 …

『Our Knowledge of the Past: A Philosophy of Historiography』

Aviezer Tucker (2004年刊行, Cambridge University Press, ISBN:0521834155 → 目次) 買ってすぐに序章「Introduction : The Philosophy of Historiography」と第1章「Consensus and Historiographic Knowledge」を読み進んだものの,歯ごたえあり過ぎて…

『一六世紀文化革命(1)』

山本義隆 (2007年4月16日刊行, みすず書房, ISBN:9784622072867 → 目次|版元ページ) 序章から第2章まで180ページあまり読めた.序章「全体の展望」では,本書全体を貫く視点を読者に呈示する.それは,“17世紀科学革命”の前夜である“16世紀”に光を当て…

『マラルメ詩集』

ステファーヌ・マラルメ[鈴木信太郎訳] (1963年11月16日刊行,岩波書店[岩波文庫 32-548-1], ISBN:4003254813) う〜ん,いかにも象徴派っ.訳者による詳細な訳注(70ページ)と年譜(50ページ)が圧巻.詩集本体よりもこれらの解説部分の方が長いとい…

『Selected Letters of Stéphane Mallarmé』

Rosemary Lloyd (ed.) (1988年刊行, The University of Chicago Press, ISBN:0226488411) 5月18日の夕方,駒場下の河野書店に立ち寄る.店頭の平台を物色する.この古書店はときどきおもしろい本が安く手に入る.Noam Chomsky の『Cartesian Linguistics…

『Mapping Our Ancestors: Phylogenetic Approaches in Anthropology and Prehistory』(まとめて)

Carl P. Lipo, Michael J. O'Brien, Mark Collard, and Stephen J. Shennan (eds.) (2005年12月刊行, Transaction Publishers, New Brunswick, xviii+353 pp., ISBN:0202307506 [hbk] / ISBN:0202307514 [pbk]) 【書評】※Copyright 2007 by MINAKA Nobuhi…

『これからレポート・卒論を書く若者のために』

酒井聡樹 (2007年5月15日刊行,共立出版,ISBN:9784320005747→著者サイト|版元サイト) 第11章まで読み進む.第6章の「序論の書き方」から始まるこの本の本論部分だ.方法・結果・図表の書き方の章(第7〜9章)は“読み手の立場に立つ”という著者の基本スタ…

『水の道具誌』

山口昌伴 (2006年8月18日刊行, 岩波書店[岩波新書・新赤版1032], ISBN:4004310326) 読了.時空を越える“水”の旅は,昭和の頃の手水鉢から,蛇口のカラン,ブリキのバケツに,手動ポンプ.中国,フランス,インドにまたがる.物干竿ひとつをとっても話…

『逆引き広辞苑』

岩波書店辞典編集部(編) (1992年11月17日刊行, 岩波書店, ISBN:4000801066) 「逆引き辞書」の威力 —— 日常的にはあまり使う機会がないのだが,ここぞというときに不可欠なのが「特殊辞書」.マイナーな言語の辞書も「特殊辞書」といえるのかもしれない…

『お札行脚』

フレデリック・スタール (2007年3月31日刊行, 国書刊行会[知の自由人叢書・第5回配本],本体価格12,000円, ISBN:9784336047168 → 版元ページ) 全704ページ! 日本全国,ひたすら「おふだ」を集める旅をし続けた紀行文.元本は『山陽行脚』(1917年刊行…

『生物学名概論』

平嶋義宏 (2002年10月07日刊行, 東京大学出版会[Natural History Series], ISBN:4130601814) 【目次】 はじめに i第1章:学名とは 1 1.1:これだけは知っておきたい学名の知識 2 (1)学名の約束ごと (2)学名は情報検索のキーワード 1.2:…

『生物学名概論』

平嶋義宏 (2002年10月07日刊行, 東京大学出版会[Natural History Series], ISBN:4130601814) 【書評】※Copyright 2002, 2007 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 「余人をもって換えがたし」――この著者にして,はじめてこの本は可能になった.『…

『生物学名辞典』

平嶋義宏 (2007年7月刊行予定, 東京大学出版会, ISBN:9784130602150) 総頁数1,400ページ,予価「45,000円」! ひょえ〜.この著者はやはり東大出版会から学名に関する本を出している:平嶋義宏『生物学名概論』(2002年10月07日刊行, 東京大学出版会[N…

『Genealogie als Denkform in Mittelalter und Früher Neuzeit』

Kilian Heck und Bernhard Jahn (Hrsg.) (2000年刊行, Max Niemeyer Verlag[Studien und Texte zur Sozialgeschichte der Literatur: Band 80], ISBN:3484350806 →目次|版元ページ) 編者たちによる序論を読む.系譜学的思考について,こう述べている…

『水の道具誌』

山口昌伴 (2006年8月18日刊行, 岩波書店[岩波新書・新赤版1032], ISBN:4004310326) 日常生活で「水」を使いまわすために用いられてきた伝統的な道具の数々.鹿おどしに水琴窟,ダッチ珈琲に水煙管,樋にも“鮟鱇”がいたとはね.「じょうろ」がポルトガ…

『くさいむし かめむし』

吉谷昭憲(立川周二監修) (2007年6月1日刊行, 福音館書店[月刊かがくのとも・通巻459号], ISBN:なし) エサキモンキツノカメムシの本.折り込み付録に載っている略歴によると,著者もまた農大・昆研の出身だそうだ.規模の大きな研究室ならではの人脈…

『Darwins Bilder : Ansichten der Evolutionstheorie 1837-1874』

Julia Voss (2007年6月刊行予定, Fischer Taschenbuch Verlag, ISBN:9783596176274) 〈ダーウィン図像論〉の近刊.紹介文によると,「die Rolle der Bilder bei der Entstehung der Evolutionstheorie」すなわち「wie Darwin "mit dem Auge denkt"」が中…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(51)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行,講談社[現代新書1849],ISBN:4061498495→詳細目次|反響録) 連休明けの拾い物−−roadman2005の日記[書評]http://d.hatena.ne.jp/roadman2005/20070508/1178718317 ※長い書評をありがとうござ…

『大学非常勤講師の実態と声 2007』

関西圏大学非常勤講師組合(編) 関西圏大学非常勤講師組合から出された最新の報告書.そのpdf版『大学非常勤講師の実態と声 2007(PDF版)』が上記サイトで公開されているが,紙版でも購入できるという.この報告書は「大学非常勤講師実態調査アンケート報告書…