『Indexing Books, Second Edition』

Nancy C. Mulvany
(2005年11月刊行, The University of Chicago Press[Chicago Guides to Writing, Editing, and Publishing], Chicago, xiv+315 pp., ISBN:0-226-55276-4 [hbk] → 版元ページ

本の「索引づくり(indexing)」に特化したマニュアル.本書を含むシリーズ〈Chicago Guides to Writing, Editing, and Publishing〉にはとても惹かれる本が多い.

『情報の歴史21』

松岡正剛(監修)・編集工学研究所&イシス編集学校(構成)
(2021年4月10日刊行,編集工学研究所,東京, 509 pp., 本体価格6,800円, ISBN:978-4-9911639-0-6版元ページ

500ページ超もある電話帳のような本をご恵贈ありがとうございました.1990年の初版と1996年の増補版に続く再増補版として刊行された.年表形式に配置された文字と図表のインフォグラフィクス.複雑かつ大規模な情報群を時代(年)ごとにカテゴリー化した上で,文字ベースの “可視化” の試みとしておもしろい.ワタクシの手元にある:杉浦康平松岡正剛(編)『ヴィジュアルコミュニケーション』(1976年12月20日刊行,講談社[世界のグラフィックデザイン・1],東京,239 pp.)の巻末にある「ヴィジュアル・コミュニケーション:略年表」(pp. 222-232)はその “祖型” にあたるフォーマットとみなせるだろう.松岡正剛は,過去半世紀にわたり,一貫してこの視点から “情報” を鳥瞰してきたのだろうか.

『土葬の村』感想

高橋繁行
(2021年2月20日刊行,講談社講談社現代新書・2606],東京, 312 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-06-522544-8版元ページ

長い第1章は,奈良の十津川村の土葬習俗から始まり,三重の “お棺割り” ,丹波篠山の事例など.さらに京都の南山城から奈良の柳生にかけて残る土葬の風習と続く.第2章は野焼き火葬,続く第3章は琉球列島に残る風葬の習俗について.最終章「土葬,野辺送りの怪談・奇譚」はとりわけおもしろかった.この本にはすでに失われてしまった経験や伝聞が盛りだくさんだった.現存する習俗はもうわずかな “痕跡” だけであつても,それらの証拠から復元される葬儀祭祀に興味がある.

これも何かの縁なので,同じ著者の前著:高橋繁行『お葬式の言葉と風習:柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典』(2020年10月刊行,創元社,大阪, ISBN:978-4-422-23041-2版元ページ )も読まんとアカンかな.もっとさかのぼって:柳田國男葬送習俗語彙』(1937年刊行,民間伝承の会 → 国立国会図書館デジタルコレクション )もあるし,先々月には新装版:柳田國男禁忌習俗事典:タブーの民俗学手帳』(2021年3月刊行,河出書房新社河出文庫・や27-2],東京, ISBN:978-4-309-41804-9版元ページ )も出ている.柳田国男の語彙集はいずれも想像を掻き立てる.

『読む・打つ・書く —— 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』目次(最終確定)

三中信宏
(2021年6月15日刊行予定,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5版元ページ

文三校ゲラと索引再校ゲラが出たのでノンブルがやっと最終確定した:

目次(2021年5月10日確定)
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本噺前口上 —— 「読む」「打つ」「書く」が奏でる “居心地の良さ” i

プレリュード —— 本とのつきあいは利己的に 3

 1. 読むこと:読書論 3
 2. 打つこと:書評論 6
 3. 書くこと:執筆論 7

第1楽章 「読む」—— 本読みのアンテナを張る 13

 1-1. 読書という一期一会 14
 1-2. 読む本を探す 17
  1-2-1. 探書アンテナは方々に張る 18
  1-2-2. “ランダム探書” がもたらす幸運 20
  1-2-3. 多言語が張る読書空間の次元 25
 1-3. 本をどう読むのか?—— “本を学ぶ” と “本で学ぶ” 28
 1-4. 紙から電子への往路 —— その光と闇を見つめて 33
  1-4-1. 検索の舞台裏で 34
  1-4-2. タイプとトークン 38
  1-4-3. 薄切りされる電子本 41
  1-4-4. 知識の断片化と体系化 44
 1-5. 電子から紙への復路 —— フィジカル・アンカーの視点 48
  1-5-1. その電子本の原本は何か 49
  1-5-2. 物理的存在としての “フィジカル・アンカー” 50
  1-5-3. 電子本と原本との対応:ヘッケル『生物の一般形態学』を例に 52
 1-6. 忘却への飽くなき抵抗 —— アブダクションとしての読書のために 56
 1-7. “紙” は細部に宿る —— 目次・註・文献・索引・図版・カバー・帯 65
 1-8. けっきょく,どのデバイスでどう読むのか 78

インターリュード(1):「棲む」—— “辺境” に生きる日々の生活 83

 1. ローカルに生きる孤独な研究者の人生行路 83
 2. 限界集落アカデミアの残照に染まる時代に 91
 3. マイナーな研究分野を突き進む覚悟と諦観 96

第2楽章 「打つ」—— 息を吸えば吐くように 101

 2-1. はじめに:書評を打ち続けて幾星霜 102
 2-2. 書評ワールドの多様性とその保全豊崎由美『ニッポンの書評』を読んで 108
 2-3. 書評のスタイルと事例 118
  2-3-1. ブックレポート的な書評:山下清美他『ウェブログの心理学』 119
  2-3-2. 長い書評と短い書評:隠岐さや香『文系と理系はなぜ分かれたのか』 125
  2-3-3. 専門書の書評(1):倉谷滋『分節幻想』 135
  2-3-4. 専門書の書評(2):ジェームズ・フランクリン『「蓋然性」の探求』 141
  2-3-5. 闘争の書評,書評の闘争(1):Alan de Queiroz『The Monkey’s Voyage』 164
  2-3-6. 闘争の書評,書評の闘争(2):金森修『サイエンス・ウォーズ』 175
 2-4. 書評頻度分布の推定とその利用 186
  2-4-1. 書評執筆実験の試み:岡西政典『新種の発見』を素材として 189
  2-4-2. 頻度分布からわかること:書評の平均と分散と外れ値 197
  2-4-3. 書評者は著者と読者にいつも評価されている 199
 2-5. 書評メディア今昔:書評はどこに載せればいいのか 201
 2-6. おわりに:自己加圧的 “ナッジ” としての書評 204

インターリュード(2):「買う」—— 本を買い続ける背徳の人生 211

 1. 自分だけの “内なる図書館” をつくる 211
 2. 専門知の体系への近くて遠い道のり 220
 3. ひとりで育てる “隠し田” ライブラリー 224

第3楽章 「書く」—— 本を書くのは自分だ 229

 3-1. はじめに:“本書き” のロールモデルを探して —— 逆風に立つ研究者=書き手 230
 3-2. 「読む」「打つ」「書く」は三位一体 236
  3-2-1. 知識の断片から体系へ —— 本の存在意義 237
  3-2-2. 学術書と一般書は区別できるのか 241
  3-2-3. ライフスタイルとしての理系執筆生活 246
 3-3. 千字の文も一字から —— 超実践的執筆私論 250
  3-3-1. 言わぬが花,知らぬは恥 ……『過去を復元する』『生物系統学』 252
  3-3-2. 前を見るな,足元だけ見よ ……『系統樹思考の世界』『分類思考の世界』 256
  3-3-3. “シルヴィア前” と “シルヴィア後” 259
  3-3-4. いかなる進捗もすべて晒せ ……『系統樹大全』 264
  3-3-5. 「整数倍の威力」:塵も積もれば山となる
        ……『統計思考の世界』『思考の体系学』『系統体系学の世界』 267
 3-4. まとめよ,さらば救われん —— 悪魔のように細心に,天使のように大胆に 276
  3-4-1. チャートとしての目次 277
  3-4-2. 土俵としての文献リスト 281
  3-4-3. “初期値” からの山登り:書いた文章を作品にするには 284
  3-4-4. 註をどうするか 287
  3-4-5. 本文テクストと図版パラテクストの関係 289
  3-4-6. その他のパラテクストたち:索引・カバー・帯 291
 3-5. おわりに:一冊は一日にしてならず ……『読む・打つ・書く』ができるまで 292

ポストリュード —— 本が築く “サード・プレイス” を求めて 297

 1. 翻訳は誰のため?:いばらの道をあえて選ぶ 298
 2. 英語の本への寄稿:David. M. Williams et al.『The Future of Phylogenetic Systematics』 302
 3. “本の系統樹” : “旧三部作” から “新三部作” を経てさらに伸びる枝葉 306

本噺納め口上 —— 「山のあなたの空遠く 『幸』住むと人のいふ」 311

 

謝辞 318
文献リスト [337-321]
書名索引 [340-338]
人名索引 [343-341]
事項索引 [349-344]

『学名の秘密:生き物はどのように名付けられるか』

ティーヴン・B・ハード[上京恵訳]
(2021年1月22日刊行,原書房,東京, 本体価格2,700円, ISBN:978-4-562058952原書房

生物の命名に関する本書が今年はじめに翻訳が出版されていたことを今の今までぜんぜん気づかなかった.ワタクシの探書アンテナはなぜ作動しなかったのだろうか?原書:Stephen B. Heard『Charles Darwin’s Barnacle and David Bowie’s Spider: How Scientific Names Celebrate Adventurers, Heroes, and Even a Few Scoundrels』(2020年3月刊行,Yale University Press, New Haven, xii+241 pp., ISBN:978-0-300-23828-0 [hbk] → 版元ページ)はすでにワタクシの手元にある.