『中華飲酒詩選』文庫版

青木正
(2024年5月25日刊行、KADOKAWA角川ソフィア文庫・C-155-1/角川文庫・24146]、東京, 537 pp., 本体価格1,240円, ISBN:978-4-04-400824-6版元ページ

原本:靑木正兒『中華飲酒詩選』(1961年4月5日刊行,筑摩書房,東京, 344 pp.)とその復刻版である平凡社ライブラリー版:青木正児『中華飲酒詩選』(2008年4月10日刊行,平凡社東洋文庫・773],東京,376 pp., ISBN:978-4-582-80773-8情報版元ページ)に飽き足らず、文庫版まで買ってしまった。いったい何回読めば気がすむのだろうか。

『死の貝:日本住血吸虫症との闘い』読了

小林照幸
(2024年5月1日刊行、新潮社[新潮文庫・こ-28-2]、東京, 333 pp., 本体価格670円, ISBN: 978-4-10-143322-6 → 目次版元ページ

機中読了本といえば、この『死の貝』もとても読み応えのある疾病史本だった。風土病としての日本住血吸虫がどのように発見され、その生活史が解明されていったかが克明に記されている。

『犬が星見た:ロシア旅行』読了

武田百合子
(1979年2月25日刊行、中央公論社、東京, 331 pp.)

機中読書本:武田百合子富士日記(上):不二小大居百花庵日記』(1977年10月20日刊行、中央公論社、東京, 1 plate + 333 pp.))と同『富士日記(下):不二小大居百花庵日記』(1977年12月10日刊行、中央公論社、東京, 1 plate + 298 pp.)はすでに読了していたが、途中の昭和44年6月10日〜7月4日の1ヶ月間にわたるロシア外遊日記は別の本:武田百合子犬が星見た:ロシア旅行』(1979年2月25日刊行、中央公論社、東京, 331 pp.)として出ていた。これも機中読了した。作中にたびたび出てくるお金持ちの「銭高老人」がかの錢高組の創業者だとは知らなかった。小説を読まないワタクシは夫・武田泰淳のことはぜんぜん知らないが、これらの日記本からたち現れる妻・武田百合子は破天荒なとんでもない “女傑” で、酔っぱらい運転はやらかすわ、喧嘩はふっかけるわ、意外や意外な人生を送ったように見える。武田百合子の日記はいずれも文庫本として再刊されているが、ワタクシ的にはやはり元のハードカバー本で読むようにした。

『なぜ人はアートを楽しむように進化したのか』目次

アンジャン・チャタジー[田沢恭子訳]
(2024年6月27日刊行、草思社、東京, 346 pp., 本体価格2,700円, ISBN:978-4-7942-2733-1版元ページ

※これは某紙からの書評依頼本。


【目次】
はしがき 9
序章 17

第1部 美 29

第1章 美とは何か 30
第2章 魅惑的な顔 35
第3章 顔の美の尺度 42
第4章 美しい体 53
第5章 脳の働き 64
第6章 美の背後の脳 74
第7章 進化する美 83
第8章 美しい風景 101
第9章 数の美しさ 111
第10章 美の不条理 127

第2部 快感 135

第1章 快感とは何か 136
第2章 食べ物 141
第3章 セックス 156
第4章 お金 169
第5章 好むこと、欲すること、学習すること 188
第6章 快感のロジック 197

第3部 アート 203

第1章 アートとは何か 204
第2章 アート 生物学と文化 217
第3章 アートの記述科学 226
第4章 アートの実験科学 238
第5章 コンセプチュアルアート 253
第6章 アートのルーツ 265
第7章 進化する心 280
第8章 進化するアート 290
第9章 アート 尾か鳴き声か 302
第10章 アートの偶然性 314

 

謝辞 325
参考図書 [332-331]
参考文献 [346-333]

『外来動物対策のゆくえ:生物多様性保全とニュー・ワイルド論』目次

羽澄俊裕
(2024年6月5日刊行、東京大学出版会、東京, xii+196+4 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-13-063961-3版元ページ


【目次】
はじめに i

第1章 外来種とはなにか 1

1 外来種の起源 1
2 生物多様性条約と外来種問題 14
3 外来生物法の誕生 26

第2章 島嶼部の外来動物対策 39

1 自然遺産――小笠原諸島 39
2 自然遺産――奄美琉球 61
3 普通の島 84

第3章 本土部の外来動物対策 104

1 産業飼育から生まれる問題 104
2 趣味の飼育から生まれる問題 126

第4章 正しい選択 146

1 ニュー・ワイルド論 146
2 二十二世紀の生物多様性を想像する 161
3 アダプティブな外来動物対策 174

 

おわりに 195
参考文献 [1-4]

『〈生かし生かされ〉の自然史:共生と進化をめぐる16話』目次

渡辺政隆
(2024年5月16日刊行、岩波書店、東京, xvi+178+5 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-00-005063-0版元ページ


【目次】
はじめに——朝顔の力学 v

I 生きるための知恵 1

 1 生きる力 3
 2 プロメテウスの贈り物 11
 3 相方探し 23
 4 キリンのくび、パンダの腸内フローラ 33

II 植物の妙計 43

 5 ランの美しい誘惑 45
 6 植物の奸計あれこれ 55
 7 芳香とキューピッド 71
 8 禁断の果実イチジク 81

III 共生の謎 93

 9 菌類異聞 95
 10 平和共存の森 105
 11 緑の上陸作戦 115

IV 進化と生態系をめぐる綾 127

 12 意外に保守的な文化戦略 129
 13 雑草をつくる神の手 139
 14 生きものたちの眠れぬ夜 145
 15 カタールの青い芝 153
 16 植物の底力と多様性をめぐる迷走 163

 

おわりに 177
注 [1-5]

『ポパー〔第2版〕 』目次

小河原誠
(2024年6月10日刊行、筑摩書房ちくま学芸文庫・コ-54-1]、東京, 459+xx pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-480-51249-9版元ページ

初版は前世紀末に出た:小河原誠『ポパー:批判的合理主義』(1997年3月10日刊行、講談社現代思想冒険者たち・14]、東京, ISBN:4-06-265914-X)。この叢書〈現代思想冒険者たち[全31巻]〉のうち何冊かは、ワタクシの書棚に並んでいる。


【目次】
第2版序 3
まえがき 5
第1章 若きポパー 17
第2章 反証主義 99
第3章 社会科学の方法 171
第4章 開かれた社会とその敵 209
第5章 思想の冒険——論争の哲学 253
第6章 オープン・ユニヴァース 301
第7章 倫理 391

 

ポパー略年譜 423
主要著作ダイジェスト 436
キーワード解説 444
読書案内 451
あとがき 457
索引 [i-xx]