『本棚の記憶 —— みなか先生の読書人生と〈みなか食堂〉の自炊爛』
三中信宏
(2026年6月10日刊行、灯光舎[本と人生・2]、京都, xiv+277+17 pp., 本体価格2,300円, ISBN:978-4-909992-11-6 → 目次|版元ページ|コンパニオンサイト)
- みやま: Reads「本棚の記憶」 https://www.reads.jp/posts/1539902 (2026年7月15日)※松山で暮らすようになっても基本線はあまり変わりがないような。
『本棚の記憶 —— みなか先生の読書人生と〈みなか食堂〉の自炊爛』
三中信宏
(2026年6月10日刊行、灯光舎[本と人生・2]、京都, xiv+277+17 pp., 本体価格2,300円, ISBN:978-4-909992-11-6 → 目次|版元ページ|コンパニオンサイト)
『ニコ・ティンバーゲン —— 動物行動学を築いたナチュラリスト』
ハンス・クルーク[垂水雄二訳]
(2026年6月15日刊行、紀伊國屋書店、東京, 615 pp., 本体価格4,200円, ISBN:978-4-314-01217-1 → 目次|版元ページ)
さすが600ページ超の大冊だと読み終えるのにだいぶ時間がかかった。 ニコ・ティンバーゲン(1907–1988)といえば、コンラート・ローレンツとカール・フォン・フリッシュとともにエソロジーでノーベル賞を受賞し、オックスフォードで動物行動学の学派をつくり、のちの行動生態学への道を拓いたという “伝説” が巷間に流れている。この伝記の後半(第6〜9章)で述べられているように、大筋では確かにそのとおりだった。
しかし、この伝記の読みどころは、ティンバーゲンがオランダの出自(出生・文化・学風・宗教など)とどのように折り合いをつけながら、自らのエソロジー研究を推し進めて経緯である。イギリスに渡ってからのティンバーゲンの研究・教育活動の礎となるオランダ時代のことが前半の第1〜5章でくわしく書かれているのが、ワタクシにはとても印象的だった。
ティンバーゲンがパーマネントな地位を得た伝統あるライデン大学は、オランダの中でも理論生物学や哲学的生物学の中心だった。ティンバーゲンも投稿している Biblioteca Biotheoretica 誌や姉妹誌である Acta Biotheoretica 誌は、いずれもライデン大学が発行してきた理論生物学誌だ。ティンバーゲンをライデンに引っ張ったコルネリス・J・ファン・デル・クラーウも理論形態学が専門分野だった。根っからのフィールドナチュラリストであるティンバーゲンにとっては、ライデン大学のこのような “理論寄り・哲学寄り” の学風はもともと反りが合わなかったのではないだろうか。
この伝記を読了して、ティンバーゲンが生涯の最後までオランダとのつながりを切ってはいなかったことを知る。De Levende Natuur 誌へのオランダ語での寄稿は若干19歳(1926年)から晩年の74歳(1981年)まで実に55年間も続いた。ライデン大学の自然史博物館(Naturalis)の自然学雑誌アーカイブ https://natuurtijdschriften.nl/col/23/# から彼が De Levende Natuur 誌に寄稿した記事をすべてたどることができる。
このような浩瀚な伝記の翻訳はさぞやたいへんな訳業だっただろう。多くの読者の手に取られることを祈念する。
『本棚の記憶 —— みなか先生の読書人生と〈みなか食堂〉の自炊爛』
三中信宏
(2026年6月10日刊行、灯光舎[本と人生・2]、京都, xiv+277+17 pp., 本体価格2,300円, ISBN:978-4-909992-11-6 → 目次|版元ページ|コンパニオンサイト)
『本棚の記憶 —— みなか先生の読書人生と〈みなか食堂〉の自炊爛』
三中信宏
(2026年6月10日刊行、灯光舎[本と人生・2]、京都, xiv+277+17 pp., 本体価格2,300円, ISBN:978-4-909992-11-6 → 目次|版元ページ|コンパニオンサイト)
『本棚の記憶 —— みなか先生の読書人生と〈みなか食堂〉の自炊爛』
三中信宏
(2026年6月10日刊行、灯光舎[本と人生・2]、京都, xiv+277+17 pp., 本体価格2,300円, ISBN:978-4-909992-11-6 → 目次|版元ページ|コンパニオンサイト)
書評コーナーで取り上げていただきありがたやありがたや〜。
『山と獣 —— 焼畑と祭りにみる山村の民俗誌』
須藤功
(2025年7月10日刊行、農山漁村文化協会、東京, viii + 302 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-540-25109-2 → 目次|版元ページ)
読了。ついこないだ読み終えた:合原織部『「滅び」と生きる —— 宮崎県椎葉村における種間関係の動態』(2025年5月25日刊行、京都大学学術出版会、京都, 4 color plates + 4 + 272 pp., 本体価格3,400円, ISBN:978-4-8140-0591-8 → 書評|目次|版元ページ)の対象地域である宮崎県椎葉村も本書『山と獣』の舞台のひとつとなっている。焼畑農業と地域祭礼を論じながら、それぞれの地域ごとの自然環境と動植物のこと、そして狩猟文化についても考察する。
同じ地域を扱いながらも、本書と『「滅び」と生きる』とでは目のつけどころが大きく異なるのは興味深い。『「滅び」と生きる』とが共時的なアプローチであるとするならば、『山と獣』は継時的な視点ということになるだろうか。
『ニコ・ティンバーゲン —— 動物行動学を築いたナチュラリスト』
ハンス・クルーク[垂水雄二訳]
(2026年6月15日刊行、紀伊國屋書店、東京, 615 pp., 本体価格4,200円, ISBN:978-4-314-01217-1 → 目次|版元ページ)
すでに読み始めている。原書:Hans Kruuk『Niko's Nature: The Life of Niko Tinbergen and His Science of Animal Behaviour』が Oxford University Press から出版されたのは2003年のことなので、もう20年以上も前の伝記の翻訳。
本書に書かれているコンラート・ローレンツとの関係については、本書の後に出版された動物行動学史本:Richard W. Burckhardt, Jr.『Patterns of Behavior: Konrad Lorenz, Niko Tinbergen, and the Founding of Ethology』(2005年3月刊行,The University of Chicago Press, Chicago)でもさらにくわしく考察されている。
ティンバーゲン学派の人脈のつながりについては、かの「Evelyn Hutchinson's Tree」のようなスタイルの “可視化” はされていないのだろうか:
『普遍の鍵——ルルスからライプニッツにいたる記憶術と結合論理学』
パオロ・ロッシ[清瀬卓]
(2026年8月刊行予定、ちくま学芸文庫[ロ-15-1]、東京, 本体価格1,800円, ISBN:978-4-480-51388-5 → 版元ページ )
ワタクシの手元にあるのは国書刊行会から1984年に出版された函入り版。〈世界幻想文学大系〉第45巻。この本は分類学と中世記憶術とを結びつけてくれた重要文献。中世思想史における “記憶術” は情報の可視化と検索の長い歴史に一時代を画した技法の体系.本書は非科学的な “暗黒の中世” の遺物のように誤解されてきた “記憶術” の実相を追究した名著.
『ニコ・ティンバーゲン —— 動物行動学を築いたナチュラリスト』
ハンス・クルーク[垂水雄二訳]
(2026年6月15日刊行、紀伊國屋書店、東京, 615 pp., 本体価格4,200円, ISBN:978-4-314-01217-1 → 版元ページ)
動物行動学の創始者といえば、反射的に「ローレンツ、フォン・フリッシュ、ティンバーゲン」の名前が挙がる。そのティンバーゲンの伝記。600ページ!
『続・洛中生息』
杉本秀太郎
(1979年3月23日刊行、みすず書房、東京, 287 + 4 plates + 2 pp.)
寝読み本として読了。前作:杉本秀太郎『洛中生息』(1976年10月25日刊行、みすず書房、東京, 306 + 4 plates + 2 pp.)と同じく、前世紀からワタクシの書棚に並んでいたのに、今回読み返してみてかつての “読後記憶” がまったく残っていないことを確認してしまった。ほんとうに忘れてしまったのならそれはそれで問題だし、読んだつもりで実は途中挫折してしまったとしたら、かつてはまだ本書を “読むべき時期” ではなかったのかもしれない。いずれにしても、『洛中生息』に比べて、『続・洛中生息』はワタクシ的にはあまり波長が合わなかったことは確か。ところどころに挿入されている図版4葉は想像がふくらむ。