『ニューヨークの書店ガイド:アメリカの書店事情最前線』

大久保徹也(編)・前田直子(著)

(2005年9月1日刊行,出版メディアパル,ISBN:4902251078



神保町の書肆アクセスにて入手した.マンハッタンの書店ガイドの最新版がどこかから出ないかと待ち望んでいたのだが,まさか日本語の新しいガイドを手にすることができたとは予期しないうれしい驚きだ.

2年前にニューヨークに行ったときは,10年も前に出された,1990年代はじめの古いガイドブックたち — William Marden『Marden's Guide to Manhattan Booksellers』(1994年刊行,Marden Books,ISBN:0963664603)と S. P. Barile 『The Bookworm's Big Apple: A Guide to Manhattan's Booksellers』(1994年刊行,Columbia University Press,ISBN:0231084943) — しか参考にならなかった(2冊ともすでに絶版).これらの案内書は確かに網羅的だが,それらの書店ガイドに掲載された情報はすでに古くなってしまい(なくなった書店も多いという),最新版の情報が期待されていた.ひょっとしてマンハッタンではアップデートされた案内本がその後出たのかもしれないが,ぼくの耳には入ってこない.

だからこそ,今回出版された『ニューヨークの書店ガイド』は“飢餓感”を癒すのにはびったりの案内書だ.マンハッタンのエリアごとに分割して,それぞれの地区を代表する書店を紹介している.必ずしも網羅的ではないが,それぞれの書店のもつ特徴とか置いてある品揃えの性格などが,書店員へのインタビューなども交えて記されている.老舗の古書店もあれば,開店したばかりの新しい書店も載っている.Strand 書店,Lennox Hill 書店,Posman 書店など,すでにぼくが行ったことのある本屋も含まれている.今度行ったときには Gotham 書店に行きたいなあ.

これからマンハッタン蒐書旅行を目指す人たちにとって,本書は必携だろう.