『インターネット図書館 青空文庫』

野口英司(編)

(2005年11月15日刊行,はる書房,ISBN:4899840721



青空文庫〉の本.付属DVD-ROMには9月までに登録された4843作品が入っている.久しぶりに〈azur〉で読んでみようかな.ここのところ,電子本よりは“紙”本を読む時間の方がはるかにはるかに長いので.

最終章の著作権保護期間延長に対する反論は考えさせられる.それ以前に,〈青空文庫〉の活動をめぐっては,商業出版の側からのさまざまな応答があったようなことがこの本には書かれている.そういう対外的な「顔」はもちろんだが,実際に著作権が切れた作品の入力や校正に携わった“工作員”たちの声(第2章)がおもしろい.いろいろな考えや期待するものがあって〈青空文庫〉に関わってきた人たちが多いことを知った.

電子読書ソフトとしてのエキスパンドブックの登場と退場は,〈青空文庫〉もまた年齢を重ねてきた証しを象徴するできごとだと思う.T-Time や azur など電子読書を支援する新しいツールが次の世代を担っていくのだろう.