東浩紀・北田暁大(編)
(2009年5月30日刊行,日本放送出版協会[NHKブックス別冊],291 pp., 本体価格1,300円,ISBN:9784140093443 → 版元ページ)
ひさしぶりに「セミラティス」というキーワードを目にしたな.系統学の世界では当たり前の概念で,「セミラティス」に制約を与えた特殊なグラフが「ツリー」ということになる.しかし,本書に出てくるようなクリストファー・アレグザンダーの「セミラティス」論はもっと“テツガク”的な意味を帯びつつ半世紀も生き延びている.10年も前の『生物系統学』では,これらの学問領域をまたいで議論したのだが(4.7節「系統はツリーではない」),「セミラティス」や「リゾーム」に過度の思い入れをすることは無意味ですね.