「本棚に立てられた洋書の背文字は読みにくい」

Discomycetes etc.(2010年11月24日)

http://chawantake.sakura.ne.jp/SpineTitle.html

洋書の「背タイトル」の方向は前から気になっていた.この記事では,本を立てたときに背タイトルを上から下へ書く「書き下げ」と逆に下から上へ書く「書き上げ」という対極的なふたつのスタイルがどのように分布しているのかについて論じられている.結論は,細かい例外はあるものの,版元がどの国(言語圏)に属する出版社かによって「書き下げ」と「書き上げ」の区別が決まるらしい.典型的には英語圏では書き下げが主流だし,独語圏や仏語圏では逆に書き上げが大半だ.興味深いのは,「書き下げ本」では目次は冒頭にあり,「書き上げ本」では逆に目次が巻末に置かれているという高宮利行の指摘である.以前から,フランス語やドイツ語の本で目次が本の末尾に置かれていて不便に思ったことがあった.確かに裏表紙を上に置くことを考えれば,「書き上げ」と「巻末目次」の相関性はとても便利だ.その一方で,表表紙を上に置く場合には,逆に「書き下げ」と「冒頭目次」がリンクしているのは利便性がある.なるほどなるほど.