『科学者という仕事:独創性はどのように生まれるか』

酒井邦嘉

(2006年4月25日刊行,中央公論新社中公新書1843], ISBN:4121018435



この本は明らかに読者を選ぶ.これから勉強を始める学部生や大学院生の読者層にはきっと得るものがあるだろう.安心できる教訓的なスタイルは,きっとこの層の想定読者に対して向けられたメッセージなのだろう.しかし,残念ながらぼくはこの本の読者に選ばれなかったようだ.イマイチ,響くものがない.「真理」ということばをストレートに使いすぎている気がする.物理学を“典型科学”とみなしてはいけませんよ.