『チェーンレター』

折原一

(2004年3月10日刊行,角川書店角川ホラー文庫H100-1],430 pp.,ISBN:4041919053



初版は2001年8月に角川書店から出ている.入手(2008年2月14日).この小説のテーマである「棒の手紙」については,おととし『系統樹思考の世界』を書いていたとき,「棒の手紙」の図を引用する必要があって,編集部経由で〈と学会〉の山本弘さんに連絡をとったことがあった.

この「棒の手紙」をモチーフにした小説があることは知っていたし,その後,大学の講義などで「棒の手紙」の話をするたびに,受講生から「あの小説はこれがネタだったのですか?」と質問されることがよくある.しかしぼく自身はノベライズされた「棒の手紙」はまだ読んだことがない.そこで,調べてみたところ,山本さん自身が小説化したという:山本弘高井信安田均妖魔夜行しかばね綺譚』(1998年10月刊行,角川書店角川スニーカー文庫],ISBN:404415211X)はすでに絶版のようだ.

『チェーンレター』は「棒の手紙」をライトモチーフとするもうひとつの作品なのだろう.他にも同様のモチーフの作品があるとしたら,それら自身が“系譜”をなしているということだ.