『マリア・シビラ・メーリアン:17世紀、昆虫を求めて新大陸へ渡ったナチュラリスト』

キム・トッド著[屋代通子訳]

(2008年9月22日発行, みすず書房, viii+309+xxxvi pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784622074113版元ページ



この女性,意外に日本では人気があるのかもしれない.雰囲気としては“女ファーブル”という扱いかな.数年前に読んだもう1冊のメーリアン伝:中野京子情熱の女流「昆虫画家」:メーリアン波乱万丈の生涯』(2002年01月25日刊行,講談社,4 pl.+237 pp.,本体価格1,900円,ISBN:4062111160書評目次)が,イマイチ不完全燃焼っぽかったので,もう少し足腰のしっかりした伝記がほしかったところだ.

本書の原書:Kim Todd『Chrysalis: Maria Sibylla Merian and the Secrets of Metamorphosis』(2007年刊行,Harcourt,ISBN:9780151011087 [hbk] / ISBN:9780156032995 [pbk] → 著者サイト)と同年に出た,メーリアンの図版集:Katharina Schmidt-Loske『Die Tierwelt der Maria Sibylla Merian: Arten, Beschreibungen und Illustrationen』(2007年刊行, Basilisken-Presse, Marburg, 238 pp., EUR 96.00, ISBN:9783925347795 [hbk] → 版元ページ目次)には,さらに多くの彩色図版が美術史からの注釈とともに載っている.

こういう昔の博物図版をしみじみ眺めるのは眼福でございます.