ラス・カサス著[染田秀藤訳]
(1976年6月25日刊行,岩波書店[岩波文庫33-427-1],ISBN:4003342712)
著者ラス・カサスは,コロンブスが新大陸を発見し,16世紀以降,スペイン人が大挙して“ヌエバ・エスパーニャ”(メキシコ)を始めとする中南米を侵略した時期にこの報告書を上申した.なんだか旧日本軍による中国本土での“三光作戦”を髣髴とさせる extermination の記録.いわゆる「モンテスマの呪い」の出典はこの本だったか:
結局,スペイン人たちは神殿に火を放ち,インディオたちを火攻めにした.インディオたちは絶叫した.「なんと邪悪な人たちだ.いったい私たちが何をしたと言うのか.どうして私たちを殺すのだ.メキシコへ行くがいい.そうすれば,主君モテンスマ王が私たちに代りおまえたちに復讐なさるだろう」(p. 64)