『動物からの倫理学入門』

伊勢田哲治

(2008年11月20日刊行,名古屋大学出版会,iv+364 pp.,本体価格2,800円,ISBN:9784815805999版元ページ正誤表

きっちり学んだことがないので,「倫理学」と聞くと何かしら“つかみどころ”がないものという先入観しかない.しかし,「学」抜きの「倫理」となるともう少しイメージらしきものが見えないわけではない.ただし,それはあくまでも“ヒト”を相手とする場合に限られる.他の動物(や植物)に対面したときにも倫理とか福利とか権利を論じることが果たしてできるかどうか.一般的な“生き物”を対象とする「倫理」とか「倫理学」っいったい何なのでしょうか,伊勢田センセ! —— という疑問をもったみなさんは本書の潜在的読者なのだ.個人的にはこのコンテクストでの,「人間/動物」の仕分け(分類)がどのような歴史的経緯で行われてきたのかが気になる.